セッション情報 |
シンポジウム10(消化器病学会・肝臓学会合同)
C型肝炎治療の新たな展開
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タイトル |
肝S10-6:Genotype 2かつ高ウイルス量C型慢性肝炎に対するResponse-guided therapy
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演者 |
佐藤 賢(群馬大附属病院・病態制御内科学) |
共同演者 |
橋爪 洋明(群馬大附属病院・病態制御内科学), 森 昌朋(群馬大附属病院・病態制御内科学) |
抄録 |
【背景】C型肝炎患者のSVR率は、Peginterferon alpha-2bとribavirin(PEG-IFN plus ribavirin)併用療法の投与4週間後のHCV-RNAの陰性化(RVR; rapid virological response)と密接に関係している。Genotype 2かつ高ウイルス量C型慢性肝炎の24週治療は約70-80%のSVR率であり十分とはいえない。今回我々はResponse-guided therapyによる前向き試験を導入し、治療期間の最適化を試みた。【方法】IFN治療後2と4週後の抗ウイルス効果に基づき、計146名の患者にPeginterferon alpha-2bを1.5ug/μg/week、及び体重当たりのribavirinを投与した。即ちPEG-IFN plus ribavirinの投与期間は、投与2週間後のHCV-RNAが陰性化した症例(SRVR; super rapid virological response群)は12週投与、RVR群は24週投与、投与4週間後のHCV-RNAが陽性の症例(LVR; late virological response群)は48週投与とした。【結果】全症例のSVR率は、76.7%(112/146)であり、従来の報告と同等であった。SVR率は、SRVR群で91.7%(11/12)、RVR群で92.8%(64/69)、LVR群で76.7%(13/18)であった。LVR群で臨床研究に同意されず24週投与した群のSVR率は、わずか51.1%(24/47)であった。LVR群において、24週投与と48週投与でSVR率の有意な差は認めなかったが、48週の治療の優位性(p=0.17)が示唆された。さらに24週投与では、RVR群はLVR群に比べて有意にSVR率の高値を認めた(p<0.0001)。多重ロジスティック回帰分析では、24週治療におけるSVR率の予測因子は、RVR・IFN前治療・genotypeと有意に関連していた。48週投与でSVRを得られなかった5例のうち、同意の上測定できた3例のIL28BのSNPsは、全てmajor alleleであった。副作用は、治療期間の延長と共に増加傾向を認めたが、48週投与期間の忍容性は良好であった。【結論】SRVR群における12週投与とRVR群における24週投与のSVR率は有望で治療期間の最適化に有用である。LVR群における48週投与はSVR率の点で不十分であり、LVR群における加療は更なる工夫が必要と考えられた。 |
索引用語 |
Response-guided therapy, Genotype 2かつ高ウイルス量C型慢性肝炎 |