セッション情報 |
シンポジウム10(消化器病学会・肝臓学会合同)
C型肝炎治療の新たな展開
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タイトル |
肝S10-7:C型肝硬変に対するPEG-IFN/Ribavirin併用療法の治療成績
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演者 |
会澤 信弘(兵庫医大・内科(肝・胆・膵科)) |
共同演者 |
榎本 平之(兵庫医大・内科(肝・胆・膵科)), 西口 修平(兵庫医大・内科(肝・胆・膵科)) |
抄録 |
【はじめに】C型肝硬変に対するIFN投与は、予後を改善させることが期待されている。しかし、肝硬変に対するIFN単独治療ではSVR率が低い。また、肝硬変症例では、IFN治療にあたって血小板数が問題となり、その対策として脾摘・PSEが行われている。今回、我々は本学倫理委員会承認のもとC型肝硬変を対象にPEG-IFN/RBV併用療法を行いその治療成績と脾摘・PSEの有用性について検討した。【方法】画像検査、食道胃静脈瘤の有無、血液検査所見にて臨床的に肝硬変と診断し、当科にてPEG-IFN/RBV併用療法を施行したC型肝硬変88症例(年齢:45~77歳,男性42例,女性46例,genotype1a/ 1b・高ウィルス量(≧100KIU):74例,genotype 2a/2b:14例,脾摘症例(22例)・PSE症例(2例))について治療効果、問題点について検討した。【結果】1a/1b,2a/2bそれぞれのETR率は51%(36/70),86%(12/14),SVR率は17%(11/64),42%(5/12)であった.脾摘(22例)・PSE(2例)を施行したものは,血小板数は処置によって6.3±1.5万から16.5±5.6万に改善し,24週までのIFN投与率が80%以上の症例は脾摘・PSE症例では63%(15/24)、非脾摘・PSE症例では41%(26/64)であった。脾摘・PSE例のSVRは1a/1bでは14%(2/14),2a/2bでは50%(2/4)であった。1a/1b高ウィルス症例のIL28B major homo型ではETRとSVRが58%(19/33),20%(6/30),hetero/minor型ではETR,SVRが29%(6/21),10%(2/20)であった.そのうち脾摘・PSE症例のIL28B major homo型ではETRとSVRが50%(5/9),25%(2/8),hetero/minor型ではETR,SVRが50%(2/5),0%(0/4)であった. 【結論】肝硬変に対するPEG-IFN/RBV併用療法のSVR率はgenotype 1a/1b・高ウィルス量症例で17%、genotype 2a/2bで42%と低かった。少数例での検討ではあるが,IL28B hetero/minor型はmajor homo型に比べ奏功率は低く、脾摘・PSEを行う場合,IL28Bを考慮する必要があると考えられた。 |
索引用語 |
肝硬変, IL28B |