セッション情報 |
シンポジウム10(消化器病学会・肝臓学会合同)
C型肝炎治療の新たな展開
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タイトル |
肝S10-11:C型慢性肝炎に対する二重濾過血漿交換療法(DFPP)併用ペグインターフェロン・リバビリン療法の適応
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演者 |
酒井 明人(金沢大・消化器内科) |
共同演者 |
山下 竜也(金沢大・消化器内科), 金子 周一(金沢大・消化器内科) |
抄録 |
【目的】1型高ウイルス量C型慢性肝炎に対してペグインターフェロン・リバビリン(PegIFN/Rib)併用療法が広く行われ、さらに新規薬剤の開発治験が進んでいるが、副作用などにより適応には制限があると予想される。二重濾過血漿交換療法(DFPP)は2008年4月に保険収載となったが、今後どのような症例に適応があるか検討した。【方法】全国50施設集計でPegIFN/Rib併用療法開始時にDFPP併用を行った239例のうち治療終了後効果判定が可能な122例を対象とした。治療歴別では初回治療50例、前治療PegIFN/Rib38例、PegIFN/Rib以外34例。治療開始4、12、終了時、終了24週後のHCV RNA量(Taqman法)について解析した。【結果】症例全体ではITT解析で著効(SVR)56例(45.9%)、PP解析で51.4%であった。治療歴別(以下PP解析)では初回投与で4週後HCV RNA陰性化(検出せず:RVR)7/37例(18.9%)、12週間後HCV RNA陰性(cEVR)20/39例(51.2%)、終了時陰性(EOT)34/44(77.3%)、SVR:27/44例(61.4%)であった。初回投与ではcEVR22例中再燃は2例(9.1%)と低率であった。前治療PegIFN/Rib以外ではRVR:4/32例(12.5%)、cEVR:16/34例(47.1%)、EOT:23/31例(74.2%)、SVR:19/31例(61.3%)であった。cEVR16例中再燃は3例(18.8%)であった。前治療の反応が再燃、無効でもSVRは同等であった。前治療PegIFN/Ribでは前回再燃でSVR:5/13例(38.4%)、無効で4/23例(17.4%)。再燃例では前回cEVRでない7例中4例でDFPP併用ではcEVRであったが48週投与では再燃例が多かった。無効例でも前回2Log低下ありでは2/7例(28.5%)であったが、低下なしでは1/13例(7.7%)と低率であった。【考案】PegIFN/Rib無効例、特に2Log低下の無かった症例ではDFPP併用療法でも難知であり新規薬剤に期待するのが妥当と考えられた。新規薬剤が待てない、或いは強く副作用の懸念される初回、前治療PegIFN/Rib以外、PegIFN/Rib再燃例においてDFPP併用療法は適応があると考えられた。 |
索引用語 |
DFPP, Peg-IFN/Ribavirin併用療法 |