セッション情報 |
シンポジウム11(消化器がん検診学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)
消化器がんの発育速度と有効な検診間隔
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タイトル |
内S11-1:偽陰性がんからみた胃がんの発育と胃内視鏡検診の間隔について
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演者 |
小林 正夫(京都第二赤十字病院・健診部) |
共同演者 |
釜口 麻衣(京都第二赤十字病院・健診部), 望月 直美(京都第二赤十字病院・健診部) |
抄録 |
【目的】当院人間ドックの胃がん検診では、受診者の80%程度が内視鏡検査を受けている。胃内視鏡検診は胃がん発見率が高く、特に早期胃がんは内視鏡治療可能な大きさで発見されることが多い。一方、内視鏡偽陰性も思っているより多いことが判明している。偽陰性がんの検討から、胃がんの発育について言及し、有効な検診間隔を求めることを目的とした。【対象と方法】対象は2002年4月から2010年3月までに当院人間ドックの胃がん検診として内視鏡検査を受けたのべ30066人で、男女比は1.4:1、年齢は21歳~90歳(平均55歳)である。内視鏡は主に細径スコープ(先端部外径5.0mm)を用い、消化器科医師及び健診部の消化器専門医が経口(または経鼻)法にて実施し、画像はファイリングシステムに保存した。発見がんの内、過去3年以内の内視鏡受診歴を有する症例を偽陰性と定義し、偽陰性がんの偽陰性期間、組織型、予後等を調査し、有効な検診間隔について検討した。【成績】発見がんは110例で、各年度毎のがん発見率は、2002年度0.30%、2003年度0.31%、2004年度0.49%、2005年度0.34%、2006年度0.31%、2007年度0.26%、2008年度0.47%、2009年度0.44%と、全国平均と比べても良好であった。偽陰性がんは、総計59例認められ偽陰性率は53.6%であった。しかし、ほぼ100%救命可能と考えられる粘膜内癌を偽陰性としない場合の偽陰性率は16.4%であった。また、偽陰性59例の平均偽陰性期間は14.8ヶ月であった。偽陰性がんの予後については、2002年度から2005年度の発見がんの内、偽陰性症例25例の5年生存率は、生存23例、不明2例であった。偽陰性期間は7から28ヶ月(平均15.4ヶ月)で、深達度別には、m癌14.7ヶ月、sm癌15.5ヶ月、組織型別では、分化型14.9ヶ月、未分化・低分化型16.3ヶ月であった。【結論】内視鏡検診における偽陰性がんの平均偽陰性期間は14.8ヶ月であり、救命可能な段階で発見することができる有効な検診間隔は15ヶ月程度、最大でも2年程度と考えられた。 |
索引用語 |
偽陰性がん, 内視鏡検診 |