セッション情報 |
シンポジウム11(消化器がん検診学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)
消化器がんの発育速度と有効な検診間隔
|
タイトル |
内S11-2:胃癌内視鏡検診における妥当な検診間隔
|
演者 |
辻 陽介(NTT東日本関東病院・消化器内科) |
共同演者 |
大圃 研(NTT東日本関東病院・消化器内科), 郡司 俊秋(NTT東日本関東病院・予防医学センター) |
抄録 |
【目的】胃内視鏡検診は胃癌診断法として精度が高いが偶発症リスクやマンパワーの問題があり、効率的な方法を採用することが望ましい。今回我々は当院検診データ分析から内視鏡胃癌検診における有効な間隔を検討した。【対象】2006年1月~2010年12月に当院ドックで施行した胃内視鏡検診42640例(平均49歳±11.0SD)。【結果】胃癌検出率は0.21%(88例)でうち早期胃癌95.5%(84例)、癌検出群平均年齢59.1歳(±9.8SD)であった。内視鏡的萎縮を認めない群からは胃癌の指摘はなかった。この88例を前回検査1-2年以内A群49例、3年以上あるいは初回検査B群33例に分類するとIIc癌発見率(A:37/49、B:17/39、P=0.002)、内視鏡治療施行率(A:35/49、B:14/39、P = 0.001)、分化型癌検出率(A:37/49、B:21/39、P = 0.033)、M癌検出率(A:39/49、B:21/39、P = 0.010)が有意にA群で高率であった。分化型胃癌58例を内視鏡治療群48例/内視鏡治療適応外群10例に分類し年齢、性別、Hp抗体価、喫煙歴、アルコール摂取歴、糖尿病歴、胃癌家族歴、検査間隔(2年以内/3年以上)について分析すると検査間隔のみが有意な因子であり(P = 0.027)、分化型胃癌に限っても内視鏡治療可能な早期癌検出には隔年検診が有効であった。逐年検診発見胃癌全てを偽陰性例と定義すると偽陰性率は45.5%であった。前回記録のある63例の検討では病変が写っているが認識せず22例(1)、該当箇所撮影せず16例(2)、該当箇所は撮影されているが病変認識不能25例(3)で(1)を偽陰性例と定義した場合偽陰性率25.0%であった。【結論】隔年内視鏡検診は内視鏡切除可能な早期胃癌検出に有効と思われる。偽陰性が25%以上で生じており撮影・読影法の標準化を徹底し引き続き有効な検診間隔を検討していく必要がある。 |
索引用語 |
内視鏡検診, 早期胃癌 |