セッション情報 シンポジウム11(消化器がん検診学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)

消化器がんの発育速度と有効な検診間隔

タイトル 内S11-6:

大腸癌抑制のための適切な大腸内視鏡検査間隔に関する多施設共同研究 ―第一報―

演者 河村 卓二(京都第二赤十字病院・消化器科)
共同演者 小林 清典(北里大東病院・消化器内科), 尾田 恭(尾田胃腸内科・内科)
抄録 【目的】内視鏡的に大腸癌および前駆病変を発見するための適切な検査間隔を推定する。【方法】日本国内の異なる4施設において、検査目的や過去の検査・治療既往を調査し、advanced neoplasia (浸潤癌・m癌・高度異型腺腫・絨毛腺腫・10mm以上の腺腫) の発生をアウトカムとして同時に測定した(横断研究)。【対象】2010年4月より2011年2月の間に、文書により同意の得られた5381例。うち炎症性腸疾患などを除外した4754例を解析対象とした。男性2666例(56.08%)、女性2088例(43.92%)、平均年齢は62.75歳であった。【結果】過去5年間の大腸内視鏡検査回数が増加すると、2回までは単変量解析にて有意に浸潤癌の発見率は低下したが、2回と3回以上では有意差は見られなかった(表)。Advanced neoplasiaから浸潤癌を除いたadvanced adenomaの発見率は1回と2回以上で差は見られなかった。【結語】浸潤がんの発見率は、5年で2回の介入によって有意に低下し、3回以上の介入の必要性は費用対効果を考慮し検討すべきと推察された。Advanced adenomaの発見率は介入回数によって低下しない可能性もあるが、さらに多変量解析を行い検討する必要がある。
索引用語 大腸癌, 内視鏡検査