セッション情報 消化器病学会特別企画2(消化器病学会)

日本消化器病学会専門医カリキュラムの改訂

タイトル 消特企2-基調講演:

カリキュラム改訂の概要

演者 石橋 大海(国際医療福祉大DELIMITER福岡山王病院)
共同演者
抄録 医学の進歩に伴い診断・治療法が変化するとともに疾患概念や医療概念が変化しており、専門医育成において、時代の変化に遅れぬよう対応していく必要がある。社会の要望に応えることができる消化器病専門医を育成することは、日本消化器病学会の重要な任務である。菅野理事長は,現在の医療情勢,専門医に関する社会の要求・要望から,理事長方針として本学会でも消化器病専門医の育成,あり方の再検討に力を入れることを表明した.その一環として、専門医制度審議委員会・卒後教育委員会として研修カリキュラムの改訂を行うこととなった。
本学会の現行のカリキュラムはいくつかの問題点を孕んでいる。すなわち、項目のみの呈示であり、研修のポイントや到達目標の設定がない、どのような専門医であるべきか、消化器専門医として研修の目標が明示されていない、医の倫理、患者の人権、患者―医師関係、 法的問題、 医療行政(保険制度),医療経済、安全管理、プロフェッショナリズム、臨床研究等、専門医に望まれる基本的事項の項目がない、内容は消化器診療に関する知識に偏重(消化器検査・治療手技・疾患名のみ)しており、専門医としてとるべき態度が示されていない、初期診療で重要な、症候から診療をアプローチが重視されていない、食事・栄養療法・生活指導、薬物療法の記載が希薄である、臨床腫瘍学の項目も少ない、消化器内科医として必要な消化器外科の範囲が不明瞭である、等々である。
総論・腫瘍、消化管(上部、下部)、肝、胆膵の4領域からなるワーキンググループが結成され、2011年8月に第一回の会議が開催され作業がスタートした。日本内科学会カリキュラムを基本としながらも、「到達目標」に加え、「知識」、「技能」に「態度」を取り入れたコンピテンスを基盤とした新しいカリキュラム理論を基本にすることが決まり、それに則って消化器病のプロフェッショナルを育成するためのカリキュラム作成が現在進行している。
索引用語 研修カリキュラム, 専門医