セッション情報 シンポジウム17(消化器内視鏡学会・消化器病学会合同)

カプセル内視鏡の進歩

タイトル 内S17-3:

FICEを用いたカプセル内視鏡による小腸病変検出能に関する検討

演者 今川 宏樹(広島大・内視鏡診療科)
共同演者 岡 志郎(広島大・内視鏡診療科), 茶山 一彰(広島大・消化器・代謝内科)
抄録 【背景】 既報のごとく我々はカプセル内視鏡(CE)読影において、FICE (Flexible spectral Imaging color enhancement) がangioectasia、びらん・潰瘍、腫瘍の画質を向上させることを報告した(Gastrointest Endosc 2011;72:299-306)。【目的】CEにおけるFICE読影が通常読影と比較して小腸病変の検出能を向上させるか否かを検討する。【対象と方法】当院にて2009年11月から2010年3月に連続してCEを施行した55例のうち、小腸の評価が十分でなかった5例を除く50例を対象とした。CE読影は読影数50症例以上の医師2名で行った。1名が従来の通常読影を行い、別の1名がCE-FICEを用いて別々に読影を行った。FICE画像は、RAPID Access 6.0で解析し、3つのsetting (FICE1/2/3)を用いた。病変はangioectasia、びらん、潰瘍、腫瘍に分類し、通常読影とFICE読影間の検出能、読影時間を比較検討した。【結果】angioectasiaは通常読影17病変、FICE1 48病変、FICE2 45病変、FICE3 24病変で、通常読影と比較しFICE1/2で病変指摘数が有意に向上した。FICEで新たに指摘した病変の98%(FICE1 30病変、FICE2 28病変、FICE3 7病変)は矢野・山本分類type 1aに相当する小病変であった。びらんは通常読影20病変、FICE1 27病変、FICE2 33病変、FICE3 31病変、潰瘍は通常読影12病変、FICE1 13病変、FICE2 21病変、FICE3 21病変、腫瘍は通常読影15病変、FICE1 16病変、FICE2 13病変、FICE3 13病変で各群間に有意差を認めなかった。読影時間に関しては、通常読影36±6.9分、FICE1 36±6.4分、FICE2 38±5.8分、FICE3 35±6.7分で各群間に有意差を認めなかった。【まとめ】CE-FICE1/2による読影は通常読影と比較して小さなangioentasiaの検出能に優れていた。共同研究者:田中信治、野田育江、青山大輝
索引用語 カプセル内視鏡, 小腸