セッション情報 シンポジウム17(消化器内視鏡学会・消化器病学会合同)

カプセル内視鏡の進歩

タイトル 内S17-8:

小腸カプセル内視鏡(VCE)の適応拡大に向けて:Agile-J patency capsule (AJP)の有用性と安全性

演者 大宮 直木(名古屋大大学院・消化器内科学)
共同演者 中村 正直(名古屋大大学院・消化器内科学), 後藤 秀実(名古屋大大学院・消化器内科学)
抄録 【目的】今回、大阪市立大学とAJPの共同臨床試験を行い、VCEの適応拡大に向けてのAJPの有用性と偶発症について検討した。【方法】VCEの開通性評価のために、Radio Frequency Identification tagのない日本独自のAgile-J patency capsule(AJP)を使用した。対象は56例(既存クローン病33例、腹痛6例、悪性リンパ腫3例、ベーチェット病3例、Peutz-Jeghers症候群3例、NSAID起因性小腸炎疑い3例、その他6例)で全例検査前に小腸X線検査を行い、3cm以上の長い狭窄を除外した上で施行した。AJP内服30時間以内に排泄確認できた場合はあらかじめ渡しておいたデジタルカメラでAJPを撮影するよう指示。内服30時間後に外来受診し回収・持参したAJPの形状・固さを確認した。未確認の場合は腹部XPを撮影しAJPの位置確認を行った。AJPが体内にある場合はさらに内服72時間以内に排泄確認と回収、AJPの撮影を指示した。【結果】AJP内服30時間以内に原形排泄が確認できたのは16例(29%)、30時間後に腹部単純X線で大腸または体外にあることが確認できたのは22例(39%)、72時間以内に原形排泄が確認できたのは5例(9%)で合計43例(77%)に開通性が確認されVCEを施行した。そのうち31例(31/43;72%)は全小腸観察が可能であり、37例(37/43;86%)に小腸病変が観察された。複数回の手術既往があり、頻回の腹痛発作を訴えるクローン病患者1例で開通性が確認されているにもかかわらず滞留が生じた。経口および経肛門的アプローチでダブルバルーン内視鏡を施行したが癒着のため狭窄部まで到達できず、VCE内服68日後に回腸部分切除術が施行された。AJP自体の偶発症は認めなかった。【結論】AJPを用いて開通性を確認することで、今後原因不明の消化管出血以外の病態に対してもVCEは比較的安全に施行でき有用と考えるが、治療が必要となるような腹痛を伴う場合や術後腸管、AJPとVCEの期間が空く場合等ではAJPが正確な開通性のマーカーにならない場合があるので注意が必要である。
索引用語 小腸カプセル内視鏡, Agile-J patency capsule