セッション情報 |
シンポジウム17(消化器内視鏡学会・消化器病学会合同)
カプセル内視鏡の進歩
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タイトル |
内S17-9:大腸用カプセル内視鏡による潰瘍性大腸炎患者の病勢評価
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演者 |
細江 直樹(慶應義塾大・内視鏡センター) |
共同演者 |
緒方 晴彦(慶應義塾大・内視鏡センター), 日比 紀文(慶應義塾大・消化器内科) |
抄録 |
[目的] 潰瘍性大腸炎(Ulcerative Colitis: UC)の診断は、大腸内視鏡検査などを行って、大腸病変の性状や罹患範囲などを確認する。一方、カプセル内視鏡(Capsule Endoscopy: CE)は、非侵襲的に腸粘膜の観察が可能であり、欧州ですでに臨床使用されている大腸用CEは、主に大腸癌スクリーニングとして使用されている。しかしながら、大腸CEは大腸内視鏡検査と同等以上の前処置が必要である。診断済みのUC症例では、びまん性に拡がる病変の炎症の程度や罹患範囲を観察できればよく、より軽度な前処置で実施できる可能性がある。今回、大腸用CEを使用して、UCと診断された患者の腸病変の程度及び罹患範囲を観察評価することを目的とした。[方法] 中等症以下のUC患者を対象とし、大腸内視鏡検査と大腸CE検査を同時に行う。予定症例数は、phase1で10例を組み入れ、前処置薬と大腸用CEの嚥下開始時間を検討、phase2で前処置法を固定し30例を組み入れその実現可能性の評価を行う。被験者には前日から検査食を使用、前処置は注腸検査用に用いられているポリエチレングリコール(以下PEG)含有電解質溶液2リットル、とクエン酸モサプリドを使用し、前処置内服途中に大腸用CEを内服し、大腸カプセル内視鏡検査(PillCam Colon2を使用)を施行する。主要評価項目は、大腸用CEの大腸排出率(全大腸観察率)、副次評価項目は、1.前処置の有効性(腸管洗浄度)、2.有害事象の発生頻度、3.大腸内視鏡検査との比較である。(UMIN000005107)[結果] 2011年4月4日現在、組み入れ症例16例、カプセル施行は8例である。試験開始最初の4例はPEG内服途中でCEを嚥下していたが、拡張した胃の通過に時間を要することから、CE嚥下後からPEGを内服することとした。現在のところ後半4例のカプセル排出率は50%(2/4例)である。大腸まで到達した6例では大腸の洗浄度は良好で大腸粘膜の観察は可能であった。[結論] 発表当日には、大腸用カプセル内視鏡により潰瘍性大腸炎患者の病勢評価が可能かどうかを報告する。 |
索引用語 |
潰瘍性大腸炎, カプセル内視鏡 |