セッション情報 シンポジウム12(消化吸収学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)

食欲・消化吸収をめぐる生理活性物質の新展開

タイトル 吸S12-9:

2型糖尿病患者における血中Dipeptidyl peptidase-4活性と肥満との関連

演者 柳町 幸(弘前大大学院・内分泌代謝内科学)
共同演者 丹藤 雄介(弘前大大学院・内分泌代謝内科学), 中村 光男(弘前大・保健学科病因・病態検査学)
抄録 【背景】Dipeptidyl peptidase-4(DPP-4)はナフチルアミンとGly-Pro-2-ナフチルアミドの結合を開裂する酵素として、ラット肝上清中で発見された。DPP-4は組織に広く分布するセリンプロテアーゼであり、インクレチンやニューロペプチド、ケモカインなどの糖代謝や食欲に関わるペプチドホルモンを調節している。近年、肥満患者の血中DPP-4活性が健常者と比較し約20%上昇することや、DPP-4が脂肪細胞のサイズやインスリン感受性にも影響を与え、メタボリック症候群と関連があることが報告されている。今回我々は、2型糖尿病患者における肥満や糖代謝指標と血中DPP-4活性との関連について検討した。【対象、方法】対象は2型糖尿病患者25例とした。対象患者の身体計測を行い、body mass index(BMI)を算出した。また、血中DPP-4活性、血中total adiponectin(Ad)、Hemoglobin A1c(HbA1c)、中性脂肪(TG)を測定した。血中DPP-4活性と各測定項目との相関関係について検討した。また、非肥満群と肥満群間の血中DPP-4活性を比較した。【成績】血中DPP-4活性とBMI、Ad、HbA1c、TGはいずれも相関を示さなかった。非肥満群(BMI25未満:A群)と肥満群(BMI25以上:B群)の比較では、有意差はなかったが、血中DPP-4活性はB群で高い傾向にあった。【結論】血中DPP-4は糖尿病患者においても肥満との関連がある可能性が示唆された。
索引用語 DPP-4, 2型糖尿病