セッション情報 シンポジウム18(消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)

IgG4関連疾患の概念と診断

タイトル 消S18-7追1:

治療に難渋したIgG4関連腸炎の2例

演者 中元 明裕(獨協医大・消化器内科)
共同演者 菅家 一成(獨協医大・消化器内科), 平石 秀幸(獨協医大・消化器内科)
抄録 【目的】自己免疫性膵炎をはじめとする全身性硬化性疾患がIgG4関連疾患として知られ、ステロイド治療が奏効する事が知られている。我々は中高齢の男性で下部消化管出血を来たし治療に難渋したIgG4関連腸炎の2症例について検討した。【症例】症例1は47歳男性。下痢・下血を契機に下部消化管内視鏡検査を施行し、全結腸粘膜にびらん・潰瘍病変を呈し病理組織学的検査でもIgG4陽性形質細胞浸潤を認めた。血清学的検査でも血中IgG4(285mg/dl)・胆道系酵素供に高値であり、画像診断でも胆道狭窄を認めた。肝病理組織学所見でも門脈域のIgG4陽性の形質細胞浸潤を認め、IgG4関連腸炎と診断した。ステロイド投与を0.6mg/kg/dayより開始し一時期退院可能となるも、サイトメガロ腸炎を合併した。抗ウイルス治療を施行後の内視鏡検査では結腸粘膜病変の悪化を認め、ステロイド抵抗性と判断しazathioprine(AZA):50mg/dayを投与開始し症状軽快傾向となった。症例2は58歳男性。肝機能障害と下血を契機に受診しMRCPで下部胆管狭小化を指摘される。肝生検ではIgG4陽性細胞が極少数であったが下部消化管内視鏡検査では全結腸粘膜障害を認め、病理組織学検査では10%強のIgG4陽性形質細胞浸潤を認めIgG4関連腸炎と診断した。ステロイド投与を開始するも症状改善せずAZA:100mg/dayを開始し下血は消失を認めた。しかし、ステロイド漸減を進めていたがカリニ肺炎による呼吸不全を合併しAZA投与困難となり再度消化管出血が再燃し死亡した。現在、病理解剖による組織学的検索を行なっている。【検討】消化管出血を主症状とするIgG4関連疾患の報告は少なく、自己免疫性膵炎の治療指針に準じてステロイド投与を施行した。しかし、2症例供にステロイドに対しする治療効果は乏しく、日和見感染症の合併を認めた。治療方針はステロイド投与を主とした治療内容にすべきかを見直す必要もあると考えられる。さらに免疫抑制剤を用いる場合には積極的な日和見感染症対策を行う必要性も考えられた。
索引用語 IgG4, 自己免疫性腸炎