セッション情報 シンポジウム20(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)

消化器内視鏡検査・治療時の麻酔薬/鎮静薬使用のエビデンス-診療ガイドライン作成を目指して≪アンサーパッド≫

タイトル 内S20-4:

内視鏡診療における麻酔薬/鎮静薬に関するガイドライン~緊急内視鏡時の適切な鎮静および高齢者の適切な鎮静について~

演者 後藤田 卓志(国立国際医療研究センター・消化器科)
共同演者
抄録 【目的】内視鏡診療における麻酔薬/鎮静薬に関するガイドライン委員会においてガイドライン案の作成を行っており、緊急内視鏡時および高齢者の適切な鎮静方法について文献的に検討する。
【対象と方法】対象論文は英文・和文の原著論文として、エビデンスレベルに関係なく全てを拾い上げることとした。文献検索の対象期間は1983年以降とし、「緊急内視鏡、emergency endoscopy」「高齢者、elderly (person)」「鎮静、sedation」でPubMedおよび医中誌にて検索を行った。
【結果】<緊急内視鏡時の適切な鎮静>:①緊急時とは予定検査以外の処置で、止血内視鏡や閉塞性黄疸・胆管炎に対する処置、②安全で確実な処置のため鎮静は必須、③モニタリング(monitored anesthesia care麻酔;経皮酸素飽和度、血圧、心拍数、呼吸数、呼気炭酸ガス分圧、鎮静担当医師名、担当看護師名、鎮静薬品名、投与量、投与時間、投与ルート、酸素が投与流量)は必須、④ベンゾジアゼピン系薬剤よる鎮静とは、生体防御反射の抑制されない浅鎮静で看護師による看視、⑤プロポフォールなど全身麻酔に用いられる薬剤を使用する生体防御反射の抑制される深鎮静は医師により実施看視、⑥気道確保や気管内挿管への移行が速やかに行える状況を確保、と報告されている。<高齢者の内視鏡時の適切な鎮静>:①高齢者の対象は65歳以上とするとのことだったが、明確な年齢制限は示されてないのが実情、②基本的には被験者からの希望があり、薬剤の使用を躊躇する理由がなければ非高齢者に準じた鎮静を使用、と報告されている。
【考察】緊急内視鏡時には処置の安全性・確実性の向上を目的に鎮静(場合によっては閉鎖循環式全身麻酔)は積極的に行うべきである。高齢者の内視鏡検査時における鎮静は、使用を躊躇する理由がない場合は希望に従うことも可とする。鎮静を使用した内視鏡処置・検査において、生体モニターおよび気道確保や気管内挿管の確保は必須条件である。
索引用語 鎮静, 内視鏡検査