セッション情報 |
シンポジウム20(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)
消化器内視鏡検査・治療時の麻酔薬/鎮静薬使用のエビデンス-診療ガイドライン作成を目指して≪アンサーパッド≫
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タイトル |
内S20-5:当院におけるプロポフォールを使用した上部消化管内視鏡検査および大腸内視鏡検査の実際
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演者 |
堀内 朗(昭和伊南総合病院・消化器病センター) |
共同演者 |
中山 佳子(昭和伊南総合病院・消化器病センターDELIMITER信州大・小児科), 梶山 雅史(昭和伊南総合病院・消化器病センター) |
抄録 |
【目的】当施設では、上部消化管内視鏡検査(EGD)および大腸内視鏡検査(CS)において覚醒の早いプロポフォールを使用しているのでその実際を報告する。【方法】対象は当院にてプロポフォールを静脈内投与して診断目的のEGDおよびCS(ポリペクトミー施行例も含む)を施行した症例。十分な鎮静効果を得るため、EGDでは最大で120mg、CSでは最大で200mgまで追加投与された。全例で心拍数、SpO2のモニタリングを施行し、検査後の覚醒状態と偶発症をprospectiveに検討した。【成績】2007年1月から2008年6月の期間にEGDを受けた症例は10662例(男6111例、平均年齢57歳)。そのうちの8431例(79.1%)がプロポフォール20-40mgの1回投与のみで検査可能で、平均使用量は44.9mg、若年者および男性で使用量が有意に多かった。2010年1月から12月の期間にCSを受けた症例は、2101例(男1149例、平均年齢66歳)。全例で盲腸到達可能でプロポフォールの平均使用量は96.4mg。男女で使用量に有意差を認めなかったが、20-40歳の症例は61歳以上に比べて使用量が有意に多かった(男95.0±26 mg vs.女 98.1±25mg, p=0.18; 20-40歳115.32±32mg vs. 61歳以上 89.7±21mg, p<0.0001)。検査中、SpO2が90%以下に低下し酸素投与を必要とした症例をEGDでは、0.26%(28例)、CSでは、 0.2%(5例)に認めたが、換気マスクや気管内挿管を使用した人工呼吸を必要とした症例は1例もなかった。EGDでは、99.9%の症例が、CSでは、100%の症例が注射後60分までに検査前の状態に回復した。EGD およびCSにおいて偶発症を認めなかった。【結論】EGDおよびCSにおいて、プロポフォールを使用した検査法は、検査中のみならず検査後の安全性、利便性を考慮すると極めて有用な検査法と考えられた。 |
索引用語 |
プロポフォール, 内視鏡検査 |