セッション情報 |
シンポジウム20(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)
消化器内視鏡検査・治療時の麻酔薬/鎮静薬使用のエビデンス-診療ガイドライン作成を目指して≪アンサーパッド≫
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タイトル |
内S20-14:静脈麻酔薬・鎮静薬事故が関係した訴訟事例の検討-診療ガイドライン作成に向けて-
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演者 |
日山 亨(広島大保健管理センター) |
共同演者 |
田中 信治(広島大・内視鏡診療科), 茶山 一彰(広島大・消化器・代謝内科) |
抄録 |
【目的】ガイドラインを作成する際には,医療者側の視点だけでなく,法的な医療水準(患者側の視点)についても考慮する必要がある.【方法】法的な医療水準を検討するため,静脈麻酔薬・鎮静薬事故が関係した訴訟事例(内視鏡関連以外を含む)を検索し,判決を検討した.訴訟事例データベースは第一法規法情報総合データベースおよび最高裁判所ホームページ判例検索を用い,2011年3月末までに検索可能なものを対象とした.【結果】該当するものは7事例あった(内視鏡関連2事例,それ以外5事例).事故の内容としては,麻酔薬・鎮静薬投与後の呼吸停止が5事例,半覚醒の状態で鎮咳薬を投与し,喉頭痙攣により死亡した事例が1事例,鎮静薬投与後の交通事故が1事例であった.いずれも,病院側に過失が認められていた.過失の内容としては,麻酔薬・鎮静薬投与後の経過観察が不十分というものが多く,他に,事前の状態把握が不十分というものや,投薬の際の覚醒レベルの確認が不十分,鎮静薬等の使用について患者の同意を得ていない,などであった.【結論】診療ガイドラインには,麻酔薬・鎮静薬使用に関する患者側への説明内容や経過観察の方法,投薬の方法等について十分に検討した上,その内容を具体的に記載する必要があると思われた. |
索引用語 |
訴訟事例, 事故 |