セッション情報 消化器病学会特別企画2(消化器病学会)

日本消化器病学会専門医カリキュラムの改訂

タイトル 消特企2-1指:

消化器病専門医研修カリキュラム改訂:総論・腫瘍

演者 丹羽 康正(愛知県がんセンター中央病院・内視鏡部)
共同演者
抄録 今回のカリキュラム改訂は新臨床研修制度の導入、日本内科学会による研修カリキュラム改訂などを踏まえている。総論・腫瘍領域の改訂にあたり、消化器病専門医としてあるべき姿とプロフェッショナリズム、患者とのコミュニケーション、安全管理とチーム医療などを考慮し、さらに社会的背景の変化、テクノロジーの進歩、消化器臨床腫瘍学の進歩を取り込んでいる。消化器病専門医として必須の消化器症候についての考え方や対応の仕方も詳述している。これらをコンピテンス理論に基づいて目標、知識、技能、態度に分けて記述した。1.最初に消化器病専門医としてのあるべき姿について述べた。プロフェッショナリズムについては従来のカリキュラム内では強調されてこなかったが、既に日常臨床でおこなわれている患者の利益を優先した医療を行い、さらに医師としての自覚を意識することを強調している。これは前述の「態度」にも反映しており、「態度」は患者に対して態度のみでなく、プロフェッショナリズムをもとにした消化器病専門医としての態度も含んだ記述になっている。2.前半の一般事項については総合内科的視点を取り入れて、社会的な背景の変化やチーム医療あるいはEBMやICTの急速な普及を取り入れて記述した。一般的な消化器症候と救急病態については消化器病専門医の立場にたって知識の整理と対応について述べた。急速に進歩した消化器臨床腫瘍学は項目を新たにもうけて概観し、先端医療は今後の進歩が期待される分野について記述している。3.病理学あるいは放射線医療については議論を重ねてきた中で消化器病学として必要欠くべからざる領域のため、専門医に依頼して執筆していただいた。4.女性医学、高齢者医学についても本来記載されるべきと思われるが、本改訂が非常に広範で大規模に行われていることから、次回改訂に委ねられることになった。以上、総論・腫瘍領域は今回の改訂の基礎的かつバックボーンになる消化器病専門医としての姿勢を提案した。
索引用語 カリキュラム改訂, 総論・腫瘍