セッション情報 |
シンポジウム22(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)
ERCP関連手技による合併症とその予防
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タイトル |
内S22-14:Wire-guided cannualtion(WGC)で胆管深部挿管率の向上とERCP後膵炎(PEP)の合併の低下は得られるのか?
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演者 |
河上 洋(Japan Bile Duct Cannulation Study Group) |
共同演者 |
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抄録 |
【目的】本邦で汎用されている後方視野角15度の十二指腸内視鏡を用い,WGCによる胆管挿管率や合併症などを明らかにすること.【方法】十二指腸乳頭部未処置例を対象とした.2 by 2 multi-factorial designによるRCTにより,ERCP catheter+造影剤(C群),ERCP catheter+GW(C+GW群),sphincterotome+造影剤(S群),sphincterotome+GW(S+GW 群)の4群に無作為に割付けた.検討項目は,GW群とGW群間における,1)胆管挿管率(10分間以内),2)胆管挿管に要した時間,3)胆管挿管に要したX線透視時間,4)合併症,5)4群間における検討,6)その他,とした.【成績】C,C+GW,S,S+GW群は各々101,102,100,97例であった.患者背景は4群間に差はみられなかった.1)GW群(C+GW・S+GW)は非GW群(C,S)と比較して,胆管挿管率に差は認められなかった(70.6 vs. 70.4%).2) GW群は非GW群と比較して短時間であった(170 vs. 305秒, p<0.01).3)GW群が非GW群より短時間であった(30 vs. 54秒, p<0.01).4)PEPは4 群間に明らかな差はみられず,重症度にも有意差は認められなかった.5)1-4)の各検討項目は,S 群の透視時間がC+GW・S+GW 群と比較して長時間であった(p<0.05)が,他の項目には4群間に差はみられなかった.6)最終胆管深部挿管率,precut施行率は4群間に差は認められなかった.【結論】本邦で汎用されている後方視野角15度の十二指腸内視鏡ではWGCで胆管挿管率は向上していなかった.また,PEP合併の低下も認められなかった.しかし,胆管挿管に要する時間とX線透視時間が短時間であったことは,WGCの利点であった.【参加施設・代表者】北海道大 河上 洋,手稲渓仁会病院 真口宏介,岐阜市民病院 向井 強,札幌医大 林 毅,広島大学 佐々木民人,東京大 中井陽介,岐阜大 安田一朗,福島県立医大 入澤篤志,戸田中央総合病院 新戸禎哲,久留米大 岡部義信,山口大 良沢昭銘,東京医大 糸井隆夫,尾道総合病院 花田敬士,静岡県立総合病院 菊山正隆,大阪医大 有坂好史 |
索引用語 |
Wire-guided cannulation, ERCP後膵炎 |