セッション情報 シンポジウム24(消化器外科学会・消化器病学会合同)

腹膜播種を伴う胃癌に対する治療の問題点と戦略

タイトル 外S24-5:

胃癌腹膜播種に対するthrombospondin 1 (THBS1)発現を指標とした個別化治療への展開

演者 栗田 信浩(徳島大・消化器・移植外科)
共同演者 島田 光生(徳島大・消化器・移植外科), 佐藤 宏彦(徳島大・消化器・移植外科)
抄録 目的: 胃癌腹膜播種症例に対する化学療法における効果・予後予測因子としてTHBS1発現の意義と個別化治療の可能性を検討した。方法 Responder analysis: 胃癌腹膜播種18 例に対し、S-1併用paclitaxel(PTX) 腹腔内投与第I相試験を行った。regimenはS-1 (80-120 mg) 14日、 day 1, 14にPTX (Dose: 40 - 100mg/m2) を腹腔内投与2 cycleとした。効果予測因子を同定するため 抗癌剤感受性に関与する137遺伝子を選択したfocused DNA microarrayを12例に行った。THBS1発現の意義: 胃癌5FU based chemotherapyを施行した胃癌腹膜播種59例の切除標本を免疫組織化学染色し、 30%以上の細胞が染色される場合を陽性とした。結果 Responder analysis 臨床的効果は2例partial response、4例 腹水細胞診陰転化・著減の6例にみられ、その他の症例に比し、THBS1 mRNAが2倍以上の高発現、5例 (83.3%)に免疫組織化学染色でTHBS1が陽性であった。THBS1発現の意義: 17例(28.8%)がTHBS1陽性であり、陰性例42例に比し、有意に予後良好であった (1年生存率: 64.7% vs 34.7%)。Taxaneを含むregimenで治療された 38例ではresponder 9例、non-responder 26例 (評価不能3例)であり、responder7例(77.8%)がTHBS1陽性で、陰性例では2例(7.7%)であった。progression free survivalは陽性例が陰性例より有意に延長していた(62.5% vs 39.4%)。CDDP・CPT11投与を受けた各16例ではPFSに有意差はみられなかった。 結論: 胃癌腹膜播種症例におけるTHBS1発現がバイオマーカーとなり、その発現を指標とした個別化治療が可能となる。
索引用語 胃癌, THBS1