セッション情報 シンポジウム24(消化器外科学会・消化器病学会合同)

腹膜播種を伴う胃癌に対する治療の問題点と戦略

タイトル 外S24-9:

胃癌播種性病変に対するCisplatinを用いた胃切除術後・腹腔内温熱化学療法

演者 持木 彫人(群馬大大学院・病態総合外科学)
共同演者 大野 哲郎(群馬大大学院・病態総合外科学), 桑野 博行(群馬大大学院・病態総合外科学)
抄録 胃癌治療は近年、早期胃癌に対する低侵襲手術や進行胃癌に対する全身化学療法など大きな進歩が見られるが、腹膜播種性病変の根治はきわめて困難であり、胃癌の予後を左右する大きな因子となっている。我々の臨床試験の目的は、腹膜転移陽性症例に対して、胃切除後腹腔内に抗癌剤を投与し、温熱を加え播種巣の制御を試みることである。【対象・方法】播種もしくは腹水細胞診が術中病理診断で確定された症例を対象とした(Lyon staging system; stage 1)。方法はリンパ節廓清を伴う胃切除術後にダグラス、左横隔膜下に向け19Fシリコンドレーンを挿入し、術後約2週間で腹腔内にドレーンより生食水(1-2L)+CDDP80mg/m2を注入し、THERMOTRON-RF8を用いて、腹腔内を41-43度に60分間加温する(Postoperative intraperitoneal hyperthermo chemotherapy:PIHC)。コントロール群(Cont群)は同時期に腹膜転移陽性症例(胃切除)で、上記治療を希望しなかった症例10名を比較対象とした。両群ともに退院後はTS-1を中心とした併用化学療法を行った。【結果】2002年3月より2011年2月までに13例(男性:8例、女性:5例)の症例にPIHCを施行した。PIHCの平均試行回数は1.5回(1-4回)。無再発生存率はCont群で1年:20%、2年:0%であり、PIHC群では1年:54.5%、3年:27.2%、5年:9%であった。累積生存率では、Cont群で1年:40%、2年:10%、3年:0%であり、PIHC群で1年:72.7%、2年:54.5%、3年:36.3%、5年:18.8%であり、有意にPIHC群が良好であった。副作用は53%にgrade 3の食欲不振、23%にgrade 2の白血球減少を認めた。【まとめ】PIHC群はControl群と比較して良好な生存率を示し、播種性病変に対する有効な治療法の一つと考えられた。
索引用語 胃癌, 播腫性病変