セッション情報 シンポジウム25(消化器外科学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)

IBDの治療戦略 :内科治療の限界と外科治療へのタイミング

タイトル 外S25-6:

周術期死亡症例からみた潰瘍性大腸炎患者の手術のタイミング

演者 内野 基(兵庫医大・炎症性腸疾患センター)
共同演者 池内 浩基(兵庫医大・炎症性腸疾患センター), 松岡 宏樹(兵庫医大・炎症性腸疾患センター)
抄録 (目的)潰瘍性大腸炎(以下UC)術後の周術期死亡症例を検討し、内科的に治療中の患者で、特に注意を要する患者の、臨床的特徴を明らかにすることを目的とした。(対象)2010年12月までに当科で手術を行ったUC:1275例で、対象期間中の周術期死亡症例は、22例(1.7%)であった。検討項目は1.非死亡群と死亡群の臨床的背景の違いを明らかにする。2.死亡群の周術期の経過を検討することである。(結果)いずれのデーターも前値が非死亡群、後値が死亡群の値である。1.臨床的特徴:1)初発年齢は27(7-81)、50(7-77)歳。手術時年齢は36(11-85)、57(8-78)歳で、死亡群は有意に高齢発症が多い結果であった。病悩期間には有意差を認めなかった。2)重症・激症の頻度は279例(22.3%)と11例(50%)。緊急手術は247例(19.7%)と14例(63.6%)でいずれも死亡群が有意に高率であった。2.術前の内科的治療:1)ステロイド(プレドニン換算)の総投与量は10000(0-171500)mgと10500(300-110000)mgで有意差を認めなかったが、術前の投与量は20(0-100)mgと40(0-80)mgで死亡群が有意に多い結果であった。2)術前の免疫調節剤使用症例は258例(20.6%)と3例(13.6%)で有意差を認めず。血球成分除去療法も584例(46.6%)と6例(27.3%)で有意差を認めなかった。3.死亡群(22例)の詳細:1)手術適応;緊急手術(出血:6激症:6穿孔:1中毒性巨大結腸症1)待機手術(難治:4癌:3局所合併症:1)で出血と激症が多数を占めた。2)死亡の主因;敗血症7例、肺炎7例、癌死3例、肺梗塞2例、くも膜下出血1例、出血性ショック1例、不明1例であった。(結語)周術期死亡症例からみた検討では高齢発症でステロイドを高容量投与中の患者は要注意であり、このような症例では内科医と外科医が共観で担当し、手術時期を適切に見極めることが重要である。
索引用語 潰瘍性大腸炎, 周術期死亡