セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 64:ヘリコバクター・ピロリの除菌療法により改善を認めた難治性ITPの一例 |
演者 | 浜田 暁彦(京都桂病院消化器センター 内科) |
共同演者 | 鳥居 惠雄(京都桂病院消化器センター 内科), 多田 英司(京都桂病院消化器センター 内科), 小笠原 光成(京都桂病院消化器センター 内科), 麻植 啓輔(京都桂病院消化器センター 内科), 遠藤 容子(京都桂病院消化器センター 内科), 山川 雅史(京都桂病院消化器センター 内科), 武田 康宏(京都桂病院消化器センター 内科), 金井 雅史(京都桂病院消化器センター 内科), 疋田 宇(京都桂病院消化器センター 内科), 松林 祐司(京都桂病院消化器センター 内科), 西川 温博(京都桂病院消化器センター 内科), 越智 次郎(京都桂病院消化器センター 内科), 三浦 賢佑(京都桂病院消化器センター 内科), 辻 將公(京都桂病院血液内科), 森口 寿徳(京都桂病院血液内科), 土井 章一(京都桂病院血液内科), 野口 雅滋(京都桂病院消化器センター 外科) |
抄録 | 最近、胃のヘリコバクター・ピロリ(HP)陽性例の特発性血小板減少性紫斑病(ITP)に対して、一部の症例でHP除菌療法が有効であることが報告されている。当センターにてHP除菌療法が奏功したITPの一例を経験したので報告する。症例は31歳女性。平成11年7月(26歳)に血小板減少(1.9万)にて当院初診し、骨髄像・PA-IgGよりITPと診断された。プレドニン40mg内服を開始したところ血小板15万に増加したためプレドニンを漸減した。しかしプレドニン漸減にて血小板数も低下傾向であったためプレドニンを20mgほどで暫く維持していた。H12年1月、血小板が3.8万まで低下したため再びプレドニンを50mgまで増量したところ、血小板数は16万まで回復した。その後もプレドニンの漸減に伴い血小板の減少を認めたため、H13年1月に腹腔鏡下脾摘術を施行した。しかしH13年4月には血小板は1.5万まで減少し、再びプレドニンを30mgに増量し漸減した。以上の難治性ITP症例に対しH14年4月、胃HP菌に対する尿素呼気試験を施行したところ41.2%と陽性であり、血清HP抗体も陽性であったため、ランソプラゾール60mg、アモキシシリン1500mg、クラリスロマイシン800mgにて1週間のHP除菌治療を行なった。HP除菌効果判定は未施行であるが、HP除菌治療直後より血小板は増加し、除菌後1ヶ月以上経つ現在も血小板27万を維持している。また、プレドニンを2.5mgまで減量しても血小板減少は認められない。最近、HP感染と自己免疫性疾患を含めた胃外疾患との関連が注目されて来ているが、当院でもHP除菌療法後に血小板数の改善を認めた難治性ITPの一例を経験したので文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | Helicobacter pylori, ITP |