セッション情報 パネルディスカッション1(消化吸収学会・消化器病学会・肝臓学会・消化器外科学会合同)

消化器疾患における安静時エネルギー代謝測定の意義と有用性

タイトル 肝PD1-3:

慢性肝疾患患者におけるエネルギー代謝評価における加齢の重要性ー体成分分析装置(In Body S20)を用いて

演者 梅田 瑠美子(慶應義塾大・消化器内科)
共同演者 海老沼 浩利(慶應義塾大・消化器内科), 日比 紀文(慶應義塾大・消化器内科)
抄録 【背景及び目的】 慢性肝疾患患者では、良好な栄養状態を維持していくことが肝障害の進展抑制に重要である。安静時エネルギー代謝は最近インピーダンス法を用いて測定可能になり、慢性肝疾患患者においてもその測定の重要性が報告されている。しかし、この安静時エネルギー代謝は加齢とともに低下してくる。慢性肝疾患は長い経過とともに進行していくため、このエネルギー代謝の変化が肝病期の進展によるものか評価することは難しい。今回は、この簡便かつ低侵襲な方法で、慢性肝疾患患者における安静時エネルギー代謝を年齢という要素を含めて評価した。【方法】 2007年10月以降に当院において体成分分析装置で測定したのべ748例の慢性肝疾患患者を対象に、TC, ALB, BTRといった栄養状態に関与する血液検査値、及び体成分分析装置で測定した筋肉量、体脂肪率、細胞外水分量、基礎代謝、上腕二頭筋周囲径等を、肝病期の進展度毎に比較検討した。【結果】 TC, ALB, BTRといった血液検査値では、年齢によって影響を受けないにも関わらず、筋肉量、体脂肪率、細胞外水分量、基礎代謝、上腕二頭筋周囲径等では30代をピークに加齢とともに値が低下してきた。一方、肝病期の進展に伴いこれらの値も変化してくることから、年齢を考慮して比較検討すると肝硬変例では慢性肝炎群に比べて筋肉量、体脂肪率が有意に低下、細胞外水分量、基礎代謝が増加し、これらの変化はChild分類と相関した。しかし、総合的には年齢がより重要な因子であった。HCCの有無はこれらの値に影響を与えなかったが、これらの値は肝疾患の予後に影響を与えた。 【結論】 慢性肝疾患患者では、加齢とともに肝病期も進行し、栄養状態の悪化がみられる。体成分分析装置を用いて個々の年齢に応じた栄養状態を評価、改善を目指すことにより、肝機能障害の進行を遅らせ予後の改善につながると考えられた。
索引用語 慢性肝疾患, 安静時エネルギー代謝