セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 61:進行肝細胞癌に対するリザーバー動注化学療法の検討 |
演者 | 簗瀬 公嗣(奈良県立医科大学 第3内科 ) |
共同演者 | 今津 博雄(奈良県立医科大学 第3内科 ), 植村 正人(奈良県立医科大学 第3内科 ), 田村 信宏(奈良県立医科大学 第3内科 ), 豊原 眞久(奈良県立医科大学 第3内科 ), 多田 和弘(奈良県立医科大学 第3内科 ), 安藤 穣(奈良県立医科大学 第3内科 ), 藤本 正男(奈良県立医科大学 第3内科 ), 吉治 仁志(奈良県立医科大学 第3内科 ), 山尾 純一(奈良県立医科大学 第3内科 ), 福井 博(奈良県立医科大学 第3内科 ) |
抄録 | 【背景・目的】肝細胞癌に対し肝切除術,ラジオ波焼灼療法,肝動脈塞栓術,リザーバー動注化学療法(HAI)が主に行われている.Stage 4の進行肝細胞癌に対してはTAEなどの局所治療の適応がない場合にHAIが選択されることが多い.我々はこれまでにADM,MMC,dibutyl cyclic AMPを用いたHAIを行い(AMDA療法),その成績を報告してきたが満足のいく成績が得られなかった(奏功率28%).しかし,近年,CDDP,5-FU,INFなどの薬剤を用いて高い奏功率が報告されている.今回,我々はCDDP,5-FUを用いてHAIを行ったStage 4A症例をRetrospectiveに検討し,HAIの有用性につき検討した.【対象と方法】対象は2000 年10月よりHAIを行ったStage 4A肝細胞癌7例である.肝機能はChild-Pugh A 5例,B2例で,平均白血球数4200,血小板数11.7万であり,腫瘍病期は全例4A で,VP3が2例,VP0が5 例であった.皮下埋め込み型リザーバーを用いてCDDP10mg/body, 5-FU250mg/bodyの5日間連日投与.2日間休薬を4週施行した(FP療法).【結果】FP療法7例の奏功率はCR1例,PR3例,NC2例,PD1例で57%であった.1年生存率は63%で,合併症は軽度の骨髄抑制が3例にみられたのみであり,QOLを損なうような合併症は認めなかった.以前に第一選択としたAMDA療法に比べ有意に良好な成績であった.また1年以内の死亡例は2例で癌死1例,門脈塞栓が原因と思われる食道静脈瘤出血死1例であった.【結語】FP療法を中心としたHAIは高い奏功率で進行肝細胞癌に対する有用な治療法と考えられた.さらに良好な予後を得るためにはNC,PD例に対する薬剤の変更等の対策が必要と考えられた. |
索引用語 | リザーバー, 肝細胞癌 |