セッション情報 シンポジウム14(消化器病学会・消化器内視鏡学会・消化吸収学会合同)

機能性消化管障害の病態と治療

タイトル 吸S14-8:

機能性消化管障害患者におけるQOLと血中活性型GLP-1濃度の関連

演者 伊藤 実(久留米大・消化器内科)
共同演者 川口 巧(久留米大・消化器内科DELIMITER久留米大・消化器疾患情報), 佐田 通夫(久留米大・消化器内科DELIMITER久留米大・消化器疾患情報)
抄録 【目的】機能性消化管障害(FGIDs)患者は多彩な消化器症状を呈するため、簡易にQOLに関与する消化器症状を評価できる出雲スケールが用いられている。Glucagon-like peptide-1(GLP-1)は脳腸ホルモンとして胃排泄能や食欲の低下に関与することが報告されている。FGIDsの症状には様々な消化管ホルモンが関与することが知られているが、GLP-1との関連は不明である。本研究の目的はFGIDs患者のQOLに関与する消化器症状とGLP-1との関連を検討することである。
【方法】当院外来に消化器症状を主訴に来院し、3ヶ月以上の消化管症状があり、器質的疾患を認めず、Rome III 基準を満たしたFGIDs患者26名 (年齢56.0±17.1歳、男/女:13/13、BMI 23.0±3.9) を対象とした。QOLを出雲スケールにて評価すると共に、空腹時に採血を行った。血漿の採取にはGLP-1専用採血管を使用した。出雲スケールの得点と活性型GLP-1濃度との相関を検討した。
【成績】血液生化学的検査では、アルブミン 4.43±0.42 g/dL、食前血糖94.3±10.4 mg/dL、HbA1c 5.3±0.3%、総コレステロール 204.5±26.4 mg/dLと明らかな代謝異常は認めなかった。出雲スケールの総得点は18.8±10点であった。また、活性型GLP-1濃度は1.9±1.3 ng/mLであり、出雲スケールと活性型GLP-1濃度との間には有意な正相関を認めた(r=0.39, p<0.05)。出雲スケールの各質問項目と活性型GLP-1濃度との関連を検討したところ、「胃痛」およびの「胃もたれ」の項目で有意な正相関が認められた(r=0.45; p<0.05, r=0.64; p<0.001)。
【結論】本研究により、出雲スケールによるFGIDs患者のQOLとGLP-1濃度は相関することが明らかとなった。なかでも、「胃痛」、「胃もたれ」の項目はGLP-1濃度との相関が強く、これらの症状に脳腸ホルモンであるGLP-1が関与している可能性が示唆された。
索引用語 GLP-1, 出雲スケール