セッション情報 |
パネルディスカッション1(消化吸収学会・消化器病学会・肝臓学会・消化器外科学会合同)
消化器疾患における安静時エネルギー代謝測定の意義と有用性
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タイトル |
外PD1-11:消化器終末期がん患者における安静時エネルギー代謝測定の意義、特にRefractory cachexiaを中心に
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演者 |
伊藤 彰博(藤田保健衛生大・外科・緩和医療学) |
共同演者 |
東口 髙志(藤田保健衛生大・外科・緩和医療学), 定本 哲郎(藤田保健衛生大・外科・緩和医療学) |
抄録 |
【目的】当講座は、2003年10月より本邦で唯一緩和医療の診療、研究を実践する講座として開設され、代謝・栄養学的手法を駆使した緩和医療の実践に努めている。今回、がん終末期のRefractory Cachexia(RC)前後の代謝栄養管理につき、間接熱量測定を用いて検討したので報告する。【対象と方法】当講座では、RCを臨床的に、がんの高度な進展にともなう不可逆的な栄養障害、コントロール不能な胸腹水貯留ならびに全身浮腫に陥った状態と定義。研究I:間接熱量測定が可能であった患者32例を非RC (22例)、RC(10例)の2群に分類し、1)間接熱量測定、2)血液所見、3)身体計測指標、4)予後日数について検討、研究II:臨床的にRCと診断した20例につき、1)診断前後のAlb、TTR、5)診断後の予後日数、6)診断後の臨床症状について検討した。尚、臨床症状の評価には、当院独自の臨床症状加算式総合評価(痛み、倦怠感、呼吸困難、口渇など全9項目を各々0-10点とし、加算)を使用。【結果】研究I: 1)安静時エネルギー消費量(REE)/基礎エネルギー消費量(BEE);RC症例は82.8±20.7%と非RCの112.0±14.4%に比し、有意に低値、RQは有意差なし、2)血液所見;Alb、TTRともにRC例は有意に低値、3)身体計測指標;BMI、%TSF、%AMCともにRC例は、有意に低値、4)予後日数;RC例は、有意に短かった。研究II:1) 必要蛋白・エネルギー量を投与したにもかかわらずTTRは前値より、診断時は有意に低下、Albは有意差なし、 5)診断後の予後; 14.5±10.2日と短命。5)臨床症状;輸液栄養管理のギアチェンジを施行し、臨床症状加算式総合評価は、有意に改善し、最期までQOLの維持が可能。【結論】1.RC症例では、間接熱量測定により必要エネルギー量が減少すると考えられた。2. RCの客観的指標として、臨床症状以外にはTTRが有用であった。3. RCでは、輸液、栄養管理のギアチェンジなどにより、QOLの維持が可能であった。 |
索引用語 |
間接熱量測定, ギアチェンジ |