セッション情報 | パネルディスカッション3(消化器がん検診学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会・肝臓学会合同)肝胆膵がん検診における検診施設と2次検査施設の連携 |
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タイトル | 検PD3-2:肝癌検診における現状と問題点~2次検査施設の立場より~ |
演者 | 小川 眞広(駿河台日本大病院・内科) |
共同演者 | 今武 和弘(駿河台日本大病院・内科), 森山 光彦(駿河台日本大病院・内科) |
抄録 | 【はじめに】検診(健診)の目的は、無症状の段階で疾病を早期発見し早期治療により死亡率を向上させることにある。当学会平成20年度肝胆膵検診の全国集検成績によると総受診者数1,000,238人中、原発性肝癌0.009%、であり高い発見率とはいえない。しかし超音波検査は非侵襲的な検査法で単一臓器の検診ではなく検査対象が広範囲に渡り全癌の合計では0.187%となり、さらに治療の対象になりうる疾患の発見率を含めると総合的に有意義な検査となる。今回肝癌検診における検診施設との間に解離が生じないための検診方法と都市型の検診の問題点を検討したので報告する。 【問題点】1.検診施設の要精査に対する問題意識の欠如。2.画像の欠如または不備。3.癌の合併年齢の高年齢化により都市型で多くを占める職域検診での発見率の低さ。4.超音波検査の2次検査として超音波検査を再検する施設は少なくCT、MRI検査のみで経過観察となる。5.専門性により精査内容・経過観察方法が異なる6.超音波上の異常に対し2次検査で超音波検査を行う施設が少ない。などである。 【当院での取り組み】空間分解能の高さを考えても他の検査法では指摘できない微小病変を超音波が捉えることは充分に考えられる。そこで我々の施設では2010年より肝腫瘤精査目的の2次検査として、磁器センサー搭載型の超音波診断装置を用い、EOB・プリモビスト造影MRI検査と造影超音波検査としている。効果として、超音波検査とMRI検査の走査断面を空間座標補正を行い比較することでMRI上各条件で病変が無いことを証明可能となるだけではなく、微小病変の指摘が容易となり読影精度が向上することが確認された。 【結論】超音波検診において重要なことは、いかに正確に二次検査を行う施設に内容を伝えるかである。特に存在診断のみではなくある程度の質的診断を踏まえた2次施設の振り分けが総合判定で重要であると考えられた。超音波の弱点である客観性の向上のためにも撮影断面の基準化、用語の統一などが重要でさらに画像の添付方法も大切であると考えられた。 |
索引用語 | 肝癌, 超音波検査 |