セッション情報 パネルディスカッション3(消化器がん検診学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会・肝臓学会合同)

肝胆膵がん検診における検診施設と2次検査施設の連携

タイトル 消PD3-7:

肝胆膵がん検診における当院の現状

演者 小山 里香子(虎の門病院・消化器内科)
共同演者 今村 綱男(虎の門病院・消化器内科), 竹内 和男(虎の門病院・消化器内科)
抄録 【目的】肝胆膵領域のがん発見には検診施設は、がんが疑われる所見を的確に拾い上げ2次検査施設に紹介する必要がある。特に腹部超音波(US)が重要なカギを握り所見に応じていかに的確な期間内に的確な精検に回すかが重要となる。当院では人間ドックUSは技師が行うが、その所見は全て当院消化器内科(肝胆膵内科)の医師が読影し再検時期・方法などを指示している。また当院付属健康管理センターは当病院と一体化して健診、その後の精査・治療に当たっている。従って健診結果・精検結果の双方をコンピューターシステムで確認することができフィードバックを容易に、また連携もとりやすくなっている。今回我々は当院人間ドック健診で特に肝胆膵領域のがん検診としての成績について報告する。【対象】2010年1月~12月の1年間に当院健康管理センターの人間ドック受診者数は16046人。うちUSを含むドック受診者15521人を対象とした。【成績】肝臓癌の拾い上げとしてはUSが重要で、肝悪性腫瘍を疑う異常エコーを認めた症例は182例(要精検率:1.17%)、実際精検を受診した症例は100例(精検受診率:54.9%)、うち肝臓癌は3例(肝臓癌発見率は0.019%)であった。膵臓癌の拾い上げとしては(1)USで膵腫瘍を疑う異常エコー(2)間接所見としてUSでの主膵管拡張(3mm以上)(3)エラスターゼ1高値(>221ng/dl)で検討した。(1)は49例(要精検率:0.32%)、実際精検を受診した症例は29例(精検受診率:59.2%)、うち1例が膵臓癌。(2)は174例(要精検率:1.12%)、実際精検を受診した症例は107例(精検受診率:61.5%)、膵臓癌症例はなかった。(3)は325件(要精検率:2.1%)、実際精検を受診した症例は125例(精検受診率:38.5%)、うち2例が膵臓癌。(1)~(3)合わせた膵臓癌の発見率は0.019%であった。【結論】肝胆膵領域のがん発見は肝臓癌3例(発見率0.019%)、膵臓癌3例(発見率0.019%)であった。要精検者受診率は各項目で38.5~61.5%と低く、特にエラスターゼ1高値例は膵臓癌の発見頻度が高いにも関わらず38.5%と極めて低く今後の課題である。
索引用語 がん検診, 肝胆膵がん