セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 301:インターフェロン+リバビリン併用療法により著明な貧血と意識消失発作をきたしたC型慢性肝炎の一例 |
演者 | 上田 秀一(福岡大学 医学部 第三内科) |
共同演者 | 岩田 郁(福岡大学 医学部 第三内科), 渡邊 洋(福岡大学 医学部 第三内科), 中根 英敏(福岡大学 医学部 第三内科), 西澤 新也(福岡大学 医学部 第三内科), 阿南 章(福岡大学 医学部 第三内科), 鈴木 統久(福岡大学 医学部 第三内科), 入江 真(福岡大学 医学部 第三内科), 早田 哲郎(福岡大学 医学部 第三内科), 向坂 彰太郎(福岡大学 医学部 第三内科) |
抄録 | 現在、I型及び高ウイルス量の慢性C型肝炎患者に対してインターフェロンα(以下IFN)+リバビリン(以下RIBA)併用療法が広く施行されるようになった。今回、我々はIFN導入2週間後の時点で貧血を認めず、治療開始4週間後に著明な貧血ならびに意識消失発作をきたした患者を経験したので報告する。 患者は55歳男性。C型慢性肝炎に対してIFN+RIBA併用療法4週間後の外来検査にて、著明な貧血(Hb:7.9)と軽度ビリルビンの上昇(T-Bil:1.9)を認め、また来院時に短時間の意識消失発作を来たしたが、数分後には意識消失は回復し、神経麻痺などもみられなかった。その後意識消失発作の原因として1.脳血管障害2.心血管系異常3.消化管出血等を疑い、それぞれ頭部CTならびに心電図(ホルター心電図を含む)、消化管内視鏡検査を施行したが、明らかな異常は認められなかった。当日よりIFN・RIBA投与中止し、徐々に貧血も改善し、入院2週間後にはHb:9.0まで回復したため退院となった。本症例では,IFN+RIBA併用療法開始2週間後の時点で貧血所見は認められなかった(Hb:14.9)ものの、生化学にて1.T-Bil上昇(1.3)、2.LDH上昇(876)3.ハプトグロビン低下(51)4.Cr上昇(1.6)が見られたことから、すでにこの時点でRIBA内服による溶血性貧血を発症し、さらに併発した腎障害が副作用を増悪させたものと考えた。現在IFN+RIBA併用療法に関する副作用発症時の減量、中止には、白血球数、Hb値、血小板数などを指標としているが、本症例のように、その他の生化学データから早めに副作用発症を推測し、投与量の減量ならびに中止が必要な例があると考えられた。 |
索引用語 | IFN+RIBA併用療法, 溶血性貧血 |