セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 67:上腸間膜静脈・門脈血栓症の1例 |
演者 | 安田 卓(那覇市立病院 外科) |
共同演者 | 川野 幸志(那覇市立病院 外科), 羽地 周作(那覇市立病院 外科), 盛島 裕次(那覇市立病院 外科), 新垣 淳也(那覇市立病院 外科), 平良 一雄(那覇市立病院 外科), 照屋 剛(那覇市立病院 外科), 宮里 浩(那覇市立病院 外科), 久高 学(那覇市立病院 外科), 山里 将仁(那覇市立病院 外科), 大城 健誠(那覇市立病院 外科), 山城 和也(那覇市立病院 外科), 久高 弘志(那覇市立病院 外科), 与儀 美津夫(那覇市立病院 外科) |
抄録 | 【はじめに】上腸間膜静脈血栓症、門脈血栓症は稀な疾患とされているが、画像診断の進歩により報告が増えつつある。今回我々は、腸閉塞で発症した上腸間膜静脈、門脈血栓症の1例を経験した。 【症例】80歳、女性。主訴:腹痛、嘔吐。既往歴:肝硬変、糖尿病、高血圧症。現病歴:近医にて肝硬変、糖尿病、高血圧症で通院中であった。平成14年7月25日、血糖コントロール目的で当院内科に入院した。8月7日より腹痛、嘔吐出現し保存的に経過観察したが症状改善しないため、8月8日当科へ紹介となった。腹部単純X線検査で拡張した腸管及び鏡面形成を認めた。腹部造影CT検査で上腸間膜内及び門脈内に血栓を疑う陰影、小腸壁肥厚、腸間膜の浮腫状変化を認めた。以上により上腸間膜静脈、門脈血栓症による腸管壊死疑いと診断し、同日緊急開腹手術を施行した。血性腹水を中等量認め、小腸は回腸末端部より約100cmの部位から口側へ向け約50cmの腸管壊死を認めた。同領域の腸間膜静脈内に血栓を認め、壊死腸管を切除し、端々吻合を行なった。その他の領域に虚血性変化を認めなかったため、門脈内の血栓は術後の抗凝固療法で保存的に経過観察することにした。経過は良好で術後13日目に内科へ転科し引き続き血糖コントロールを行ない、術後27日目に退院となった。 【まとめ】本症の臨床症状は非特異的であるため早期診断が困難で経過中に腸管壊死など重症化しやすく術後再発率も高いとされている。自験例について文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 上腸間膜静脈血栓症, 門脈血栓症 |