セッション情報 一般演題

タイトル 171:

潰瘍性大腸炎の経過観察中に急速に増大した巨大炎症性ポリープの一例

演者 田中 洋輔(早良病院 内科)
共同演者 梅野 守男(早良病院 内科), 北川 晋二(福岡大学 放射線科)
抄録 症例は20歳女性.元来便秘気味であったが,平成9年6月頃より下痢症状出現し,同年7月に入ってから粘血便を少量づつ認めるようになった.その後腹満,腹部不快感も自覚するようになったため近医を受診し,潰瘍性大腸炎を疑われ平成9年7月8日当院紹介入院となった.入院後の大腸検査にて,発赤びらんを伴った粘膜粗造像を直腸と横行結腸にskip lesionとして認め,潰瘍性大腸炎の病変分布としては非典型的であったが,同部位の病理組織所見では潰瘍性大腸炎の診断を得た.入院中に治療を開始し,その後症状が安定したため外来にてサラゾスルファピリジンの単剤投与のみで治療を行っていた.外来では定期的に検査も施行していたが特に変化は認めなかった.平成12年4月に横行結腸の粗造粘膜部に径1cm大の山田IV型のポリープを初めて指摘され,平成13年10月の検査ではポリープの径が約3cmと増大傾向を示したため,平成14年3月に切除目的にて当院入院となった.入院後横行結腸のポリープを切除したが,その大きさは約2年間で4cm程増大し,径は約5cm大となっていた.切除後の病理検査ではポリープの性状には悪性所見はなく炎症性ポリープのみであった.本症例のように潰瘍性大腸炎の経過中に急速に増大した巨大炎症性ポリープの報告例は少なく若干の考察を加えて報告する.
索引用語 潰瘍性大腸炎, 炎症性ポリープ