セッション情報 一般演題

タイトル 54:

保存的治療にて軽快したgroove pancreatitisの1例

演者 中野 重一(鞍手町立病院 内科)
共同演者
抄録 症例:44歳男性。1日にビール大瓶4本と焼酎3合程度の飲酒を24年間続けていた。1年前から油物を摂取すると時々腹痛が出現していた。最近、上腹部痛・背部痛が増悪するため2002年6月22日入院となった。入院時の上腹部の圧痛と血中膵酵素の異常高値から、慢性膵炎の急性増悪(軽症)と診断した。腹部CT検査では、膵頭部の低吸収域と周囲の液貯留を認め、低緊張性十二指腸造影では下行脚の炎症性狭窄を認めた。内視鏡的逆行性胆膵管造影検査では副膵管が描出出来なかった。腹部CT、膵液細胞診等から膵癌を示唆する所見が得られなかったため、groove pancreatitisと診断した。御本人に、副膵管原発の微小膵癌の可能性が完全に否定された訳ではないことを充分理解して頂いた上で、保存的加療を行い経過観察とした。自覚症状は速やかに消失し、2ヶ月後のCTでは膵周囲の液貯留は大幅に減少し、十二指腸の狭窄も消失した。現在も厳重に経過観察中ではあるが、保存的治療にて軽快した症例は比較的まれと考え報告した。
索引用語 groove pancreatitis, 保存的治療