セッション情報 一般演題

タイトル 19:

胃粘膜下嚢腫上に発生した早期胃癌と早期食道癌の一例

演者 土田 朋子(長崎市立市民病院内科)
共同演者 山尾 拓史(長崎市立市民病院内科), 山川 正規(長崎市立市民病院内科), 小原 則博(長崎市立市民病院外科), 河合 紀生子(長崎市立市民病院病理)
抄録 症例は75歳男性、平成7年9月より近医にて胃粘膜下腫瘍を指摘され経過観察中、平成13年10月の上部消化管内視鏡検査で、中部食道に発赤調でルゴール不染の粘膜を認め当院紹介。上部消化管内視鏡検査で中部食道に発赤調の一部顆粒状変化を伴う浅い陥凹性病変を3箇所認めルゴール不染で、同部のEUSでは一部SM以深の所見を認めた。生検では扁平上皮癌であった。また、胃体下部小弯に粘膜下腫瘍を認めその粘膜上には退色調の浅い不整陥凹を伴っており生検ではadenocarcinomaで胃粘膜下腫瘍上に発生した早期胃癌と診断。EUSでは胃粘膜下腫瘍は第3層を中心に18.3x9.6mm大の隔壁を有する嚢胞が存在し、その上部粘膜は肥厚した限局性の低エコー領域として認められ、深部への浸潤や周辺リンパ節の腫脹は認めなかった。以上より嚢胞性の異所性胃粘膜上に発生した早期胃癌と早期食道癌と診断し手術(胸部食道全摘術+胃部分切除術)を施行。病理結果は異所性胃粘膜+嚢胞上粘膜の中分化型管状腺癌と早期食道癌(carcinoma in situ)であった。異所性胃粘膜に発生する胃癌の中でもSMTを形成するような嚢胞上発生は稀であり、若干の文献的考察を加え報告する。*
索引用語 異所性胃粘膜, 早期胃癌