セッション情報 一般演題

タイトル 219:

IPMT(Intraductal papillary mucinous tumor)の二例

演者 山尾 拓史(長崎市立市民病院)
共同演者 山川 正規(長崎市立市民病院), 井上 啓爾(長崎市立市民病院外科), 河合 紀生子(長崎市立市民病院病理)
抄録 症例1は70歳男性、平成4年より高血圧、不整脈にて近医通院治療中、平成13年9月肝機能障害を指摘され同年10月腹部超音波検査、腹部CT検査にて膵頭部に嚢胞性病変を指摘され当科紹介。腹部CTにて膵頭部に多房性嚢胞性病変を認めたが、明かな壁在結節は認めなかった。超音波内視鏡検査では30mm大の多房性嚢胞内に6.5mm大の壁在結節と隔壁の肥厚を認めたが膵実質への浸潤や周辺リンパ節の腫大は認めなかった。ERCPでは十二指腸乳頭開口部は開大し、粘液の流出を認め、膵頭体移行部に主膵管と交通のある多房性嚢胞を認めた。同時に行ったIDUSでは、嚢胞内に3.5m大の結節状隆起を認めた。以上よりIPMTの分枝型で腺腫以上と診断した。 症例2は65歳男性、平成13年10月の人間ドックで行った腹部超音波検査にて主膵管の拡張を指摘され近医受診。腹部CTで膵鈎部に嚢胞性病変を認めERCPで乳頭開口部は開大し、粘液の流出もあり当院紹介。腹部US、CTでは前医同様の所見であったが明かな壁在結節は見られなかった。EUSでは26mm大の多房性嚢胞内に4.5mm大の壁在結節を認め、症例1同様膵実質や周辺リンパ節に異常認めなかった。ERCPでは同部嚢胞は主膵管と交通していた。膵液細胞診は2例ともclass1。以上よりIPMT分枝型で腺腫以上と診断、症例1.2いずれも治療はPpPDを行った。病理の結果症例1はIntraductal papillary adenocarcinoma in adenoma non-invasive,症例2はIntraductal papillary adenomaであった。
索引用語 IPMT, 膵癌