セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 139:過形成性ポリープから発生したと考えられた大腸進行癌の1例 |
演者 | 工藤 哲司(九州大学 大学院 病態機能内科学) |
共同演者 | 松本 主之(九州大学 大学院 病態機能内科学), 矢田 親一朗(九州大学 大学院 病態機能内科学), 江崎 幹宏(九州大学 大学院 病態機能内科学), 志方 健太郎(九州大学 大学院 病態機能内科学), 井出脇 康裕(九州大学 大学院 病態機能内科学), 壬生 隆一(九州大学 大学院 臨床腫瘍外科学), 植木 隆(九州大学 大学院 臨床腫瘍外科学), 平橋 美奈子(九州大学 大学院 形態機能病理学), 萱島 孝二(萱島外科胃腸科), 八尾 隆史(九州大学 大学院 形態機能病理学), 飯田 三雄(九州大学 大学院 病態機能内科学) |
抄録 | 症例は68歳、男性。平成14年6月、近医にて施行された大腸内視鏡検査で、上行結腸に隆起性病変を指摘され、精査加療目的で当科紹介入院となった。注腸X線造影検査では、上行結腸に丈の低い表面顆粒状の隆起性病変とその内部に不整形の陥凹性病変を伴う隆起を認め、側面像で変形を伴っていた。大腸内視鏡検査では、上行結腸にIIc+IIa様病変を認め、周囲に丈の低い褪色調の扁平隆起を伴っていた。拡大内視鏡検査では、IIc+IIaの陥凹部はVN型、周囲の隆起はII型のピットを呈していた。超音波内視鏡検査では、陥凹部に一致して第3層に低エコー性の腫瘤を認めた。以上より、周囲に過形成性ポリープを伴ったIIc+IIa型のsm癌と診断し、腹腔鏡補助下右半結腸切除術を施行した。切除標本肉眼像では、上行結腸の病変は大きさ30×20mmの扁平隆起で、その中心部に9×11mmの陥凹を有していた。病理組織学的に、陥凹周囲の扁平隆起は過形成上皮より成り、中心部の陥凹は高分化腺癌で、固有筋層に浸潤し、ly(+)、v(+)で1群リンパ節転移を認めた。以上の臨床病理学的特徴から、本例は過形成性ポリープから発生した大腸進行癌と考えられた。近年、過形成性ポリープの癌化も大腸癌発生の1つのルートとして注目されている。この点から興味ある症例と考えられたため、若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 過形成性ポリープ, 大腸癌 |