セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 199:腹腔鏡下膵尾部切除術の1例 |
演者 | 後藤 崇(古賀総合病院 外科) |
共同演者 | 指宿 一彦(古賀総合病院 外科), 山本 淳(古賀総合病院 外科), 勝田 和信(古賀総合病院 外科), 河野 通一(古賀総合病院 外科), 谷口 正次(古賀総合病院 外科), 古賀 和美(古賀総合病院 外科) |
抄録 | 今回我々は膵尾部嚢胞性腫瘍に対し脾温存腹腔鏡下膵尾部切除術を施行し得た一例を経験したので報告する。【症例】52歳女性。【家族歴】父が胃癌、兄が肺癌。【既往歴】特記すべきものなし。【現病歴】2002年6月上腹部痛あり近医受診。膵尾部に嚢胞を指摘され同年7月24日当科紹介受診となった。【入院時現症】自覚症状なし。理学所見に異常なし。【検査所見】CT;膵尾部に直径3cmの多房性腫瘤。血管造影;栄養動脈は脾動脈から分枝、主要血管には浸食像なし。ERP;膵管との交通なし。腫瘍マーカーも正常範囲内であった(CEA;1.6ng/ml CA19-9;25.6U/ml DUPAN-2;25U/ml以下)。以上より膵尾部嚢胞性腫瘍の診断で2002年8月26日脾温存腹腔鏡下膵尾部切除術を施行した。【手術手技】右側臥位とし左季肋下15cmに11mmトロッカー挿入、心窩部やや左側に5mmトロッカーを2本、左側腹部に5mmトロッカーを2本、計5本のトロッカーを挿入し手術施行。結腸脾弯曲部を授動、左腎前面を露出させる形で後腹膜を剥離すると膵尾部が展開された。腫瘍と脾は容易に剥離可能であったため脾温存可能と判断、膵周囲を剥離し腫瘍を挙上、ENDO-GIA45-3.5二回で切離した。病理組織学的検索では膵尾部に発生した脾由来のepithelial cystであった。術後反応性胸水を認めたが穿刺にて消退、術後第12病日で退院した。本術式は良性膵尾部嚢胞性疾患に対し安全に施行可能であると考える。 |
索引用語 | 腹腔鏡下膵尾部切除術, 膵嚢胞性腫瘍 |