セッション情報 | シンポジウム2 |
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タイトル | S2-001:当科における消化管MALTリンパ腫の治療法について |
演者 | 大仁田 賢(北松中央病院DELIMITER長崎大学 第二内科) |
共同演者 | 磯本 一(長崎大学 光学診療部), 村田 育夫(長崎大学 薬物治療学), 河野 茂(長崎大学 第二内科) |
抄録 | 当科および関連施設で診断された消化管MALTリンパ腫は19例であった(胃15例、十二指腸3例、直腸1例)。胃MALTリンパ腫の内視鏡所見は、潰瘍5例、びらん2例、褪色調粘膜1例、早期胃癌類似病変6例、粘膜下腫瘤様隆起1例であった。H.pylori (HP)に関しては、検索しなかった1例を除くとすべて陽性であった。また胃癌の合併を3例に認めた。15例中12例で除菌が行われ、8例は病変が消失した。除菌不成功の1例と、病理学的に高悪性度が含まれていた2例で病変の増大があり、手術を行った。十二指腸の病変は3例ともHP陽性であったため、除菌を施行した。球部の不整潰瘍性病変の1例は除菌にて病変が消失し、下行脚のびらん性病変の症例及び顆粒状隆起の症例は、除菌成功後も病変は残存しており、放射線療法を施行し、病変は消失した。直腸はBorr1型の腫瘤性病変で、手術を行った。 以上より胃・十二指腸のMALTリンパ腫に対してはHP除菌をまず行い、無効時には放射線療法を行うのがよいと考えられた。放射線療法は十二指腸で有効であったことより胃でもHP除菌無効時には試みる価値があると思われた。大腸については症例の集積が必要である。 |
索引用語 | MALTリンパ腫, 治療法 |