セッション情報 シンポジウム1

タイトル S1-010:

当科での肝細胞癌における外科治療成績とCLIP score の意義

演者 森野 茂行(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科 腫瘍外科)
共同演者 山口 広之(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科 腫瘍外科), 七島 篤志(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科 腫瘍外科), 柴崎 信一(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科 腫瘍外科), 阿保 貴章(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科 腫瘍外科), 田中 賢治(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科 腫瘍外科), 中越 享(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科 腫瘍外科)
抄録  CLIP score は肝細胞癌においてChild- Pugh 分類、tumor morphology,、AFP値、門脈腫瘍栓をもとに算出され予後スコアとして注目されている。今回1990年1月より2002年4月までに、当科において肝切除を行った93例の肝細胞癌症例の予後とCLIP score との関係、及び再発治療について検討を行った。5年無再発及び全生存率は34%と51%であった。単変量解析ではPIVKA-II (>10mAU/ml)や tumor morphologyは有意な予後因子であったがAFPの関連は少なかった。この結果をふまえCLIP scoreのAFP値をPIVKA-IIにおきかえて多変量解析をおこなったところは無再発、全生存率ともに有意な予後因子で(リスク比2.54と4.36;p<0.05)、生存曲線の層別化もTNMやもとのCLIP scoreより良好であった。術後再発率は58%であったが、TAE、PEIT、RFA及び再切除を行いえた治療群では無治療群に比べ有意に5年生存率が良好であった(56%と12%、p<0.01)。肝癌に対する外科的切除は有効な治療法であるが、再発率は依然高率でさまざまな集学的治療を組み合わせ患者の長期予後を図って行かなければ成らない。術前に予後を判定する因子として、今回我々が考案したmodified CLIP scoreは有用と思われた。
索引用語 肝細胞癌, CLIP