セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 330:肝膵十二指腸同時切除の検討 |
演者 | 阿保 貴章(長崎大学 医学部附属病院 第一外科) |
共同演者 | 山口 広之(長崎大学 医学部附属病院 第一外科), 七島 篤志(長崎大学 医学部附属病院 第一外科), 柴崎 信一(長崎大学 医学部附属病院 第一外科), 森野 茂行(長崎大学 医学部附属病院 第一外科), 中越 享(長崎大学 医学部附属病院 第一外科) |
抄録 | 進行した胆道系悪性腫瘍においては切除以外に有効な治療法が無いことが多く、時に肝膵十二指腸同時切除術(以下HPD)が必要とされることもある。しかし、本術式は侵襲が過大になりがちで術後死亡や合併症が問題となるため、その適応については適正な判断が要求される。今回我々は当科にて施行したHPD症例の術後成績ついて検討したので報告する。1993年から2002年までに施行したHPD施行例は6例で男性4名女性2名、年齢は54から73歳 平均64.9歳であった。対象疾患は胆管癌3例 胆嚢癌2例 肝転移を伴う乳頭部癌1例で、併施した肝切除術は拡大右葉切除2例、拡大左葉切除2例、拡大後区域切除1例、S4・S5切除1例であった。手術時の総合的進行度はStageII 1例 StageIII 1例 StageIVa 3例 StageIVb 1例で 根治度A 2例 B 2例C 3例であった。術後経過では縫合不全等の合併症を2例に認め、術後在院日数は33から76日(平均45.5日)であった。術後は肝再発を2例、肝及びリンパ節再発を1例、肝再発及び肺転移を1例の計4例に認め、無再発2例が術後それぞれ14ヶ月と5ヶ月生存中であり、生存期間は10から32ヶ月であった。全例退院後社会復帰しており、胆管癌や乳頭部癌に対しては本術式の適応性が十分あると考えられた。しかし、胆嚢癌は2例とも1年程で再発死亡しており、進行胆嚢癌に対する本術式の適応にはさらなる慎重さが必要と考えられた。 |
索引用語 | 肝膵十二指腸切除, 胆嚢癌 |