セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
240:胃-十二指腸球部瘻孔を形成したクローン病の1例
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演者 |
徳光 陽一郎(国家公務員共済組合連合会浜の町病院 内科) |
共同演者 |
瀬尾 充(国家公務員共済組合連合会浜の町病院 内科), 松浦 隆志(浜の町病院 放射線科) |
抄録 |
症例は32歳男性。H11年に痔瘻手術の既往あり。H13年5月上腹部痛と下痢が出現し近医を受診。GIFにて十二指腸球部に全周性の浮腫状、結節状隆起、しもふり状潰瘍を認めた。PPI、整腸剤にて加療されたが改善なく、同年7月当院消化器内科紹介となった。採血にて炎症所見を認め、TCFにて終末回腸に縦走潰瘍、全結腸にびらんが散見された。小腸造影にて回腸に縦走潰瘍をスキップして認めた。生検組織から非乾酪性肉芽腫は認めなかったが、十二指腸病変を含めクローン病と診断した。EDと5-ASAにて治療を開始し症状と炎症所見は改善した。しかし、H14年1月嘔気、嘔吐が出現。GIFにて十二指腸球部は狭窄し、内視鏡は通過しなかった。また、胃前庭部の大弯に臍状の陥凹病変を認め、透視下に内視鏡にて陥凹部にガストログラフィンを注入したところ、十二指腸球部が造影され胃-十二指腸球部瘻孔と診断した。球部の狭窄はバルーン拡張術にて改善した。瘻孔はEDと5-ASAで改善せず、メトロニダゾールにても改善していない。現在、炎症所見および症状を認めず経過観察中である。クローン病の十二指腸病変の報告は散見されるが、胃前庭部との瘻孔形成は報告がなく非常に貴重な症例と考え報告する。 |
索引用語 |
クローン病, 胃ー十二指腸球部瘻孔 |