セッション情報 一般演題

タイトル 310:

非ウイルス性慢性肝炎に発生したAllen1型の混合型肝癌の1例

演者 吾妻 妙子(国立病院九州医療センター 肝臓病センター)
共同演者 釈迦堂 敏(国立病院九州医療センター 肝臓病センター), 福森 一太(国立病院九州医療センター 肝臓病センター), 山下 尚毅(国立病院九州医療センター 肝臓病センター), 武元 良祐(国立病院九州医療センター 肝臓病センター), 西 秀博(国立病院九州医療センター 肝臓病センター), 福泉 公仁隆(国立病院九州医療センター 肝臓病センター), 宮原 稔彦(国立病院九州医療センター 肝臓病センター), 酒井 浩徳(国立病院九州医療センター 肝臓病センター), 安森 弘太郎(国立病院九州医療センター 肝臓病センター), 村中 光(国立病院九州医療センター 肝臓病センター), 才津 秀樹(国立病院九州医療センター 肝臓病センター), 渡辺 次郎(国立病院九州医療センター 肝臓病センター)
抄録 症例は77才男性。2002年3月、スクリーニングで施行した腹部超音波検査で肝左葉に腫瘤性病変を指摘され、当院肝臓病センター紹介入院となった。生化学検査では、HBs-Ag(-), HBc-Ab(-), HCV-Ab(-), T.B. 0.5 mg/dl, AST 73 IU/l, ALT 84IU/l, ALP 592 IU/l, γ-GTP 261 IU/l, ANA 80倍, AMA 陰性, AFP 123.8 ng/ml, AFP-L-3 39.4%, PIVKA-2 19700 mAU/ml, CA19-9 65 U/mlであった。腹部CTスキャンでは肝S4に70mm大の腫瘍を認め、造影早期で濃染し造影後期層で低吸収域を呈した。また、肝S4, 8にも小結節を認め、肝外側区域の肝内胆管の拡張も認めた。肝左葉の肝細胞癌とその肝内転移巣と診断し、肝拡大左葉切除術を施行した。術後の病理組織学的検討では、肝S4の主結節は中分化相当の肝細胞癌であったが、周辺には高分化の肝細胞癌と胆管細胞癌を認めた。したがって、本症例の多発肝細胞癌は肝内転移ではなく多中心性発癌によるものと考えられた。また、胆管細胞癌も合併しておりAllen1型の混合型肝癌であった。非ウイルス性慢性肝炎に同時に発生した重複癌であり興味ある症例と考えられたため報告する。
索引用語 肝細胞癌, 胆管細胞癌