セッション情報 一般演題

タイトル 116:

初診時に感染既往と判定したが、経過観察中HCV-RNA陽性化しインターフェロン治療を施行したC型慢性肝炎の1例

演者 的場 康平(隼人町立医師会医療センター 消化器科 )
共同演者 平峯 聖久(隼人町立医師会医療センター 消化器科 ), 田ノ上 絵美(隼人町立医師会医療センター 消化器科 ), 小倉 真理子(隼人町立医師会医療センター 消化器科 ), 古園 己俊(隼人町立医師会医療センター 消化器科 ), 重田 浩一朗(隼人町立医師会医療センター 消化器科 ), 藤崎 邦夫(隼人町立医師会医療センター 消化器科 ), 山崎 成博(鹿児島大学医学部 第二内科)
抄録 本年度よりB・C型肝炎の節目検診が開始され、HCV抗体中力価陽性例ではHCV-RNAを測定することでHCV感染の有無が判定される。われわれは、初診時のC型肝炎ウィルスマーカーより感染既往の診断で経過観察していたが、経過観察中HCV-RNAが陽性化し、肝生検にて慢性肝炎活動型と診断。インターフェロン治療を施行した症例を経験したので報告する。症例は51歳女性。1999年7月肝障害の精査のため紹介されたが、HCV第3世代中力価陽性、HCV-RNA陰性でありC型肝炎は感染既往と考えていた。その後も肝機能異常が持続するため、定期的な観察を行なっていたところ、2001年9月HCV-RNA陽性化がみられた。HCVgenotypeは2a型であり、RIBA3による抗体反応を検索したところ、C33cのみ陽性であった。2001年12月の肝生検ではCAH-2A,HAIスコア10点、線維化はF1であった。HCVウィルス量及びHCVgenotypeよりインターフェロン単独療法を選択し、2002年1月21日より治療を開始した。開始直前のHCV-RNAは1.0KIU/mlと極めて低値であった。コンセンサスインターフェロン1200万単位2週間連日投与を行なった後、週3回間歇投与を行ない、7月19日治療終了。終了1ヶ月後まで観察しHCV-RNA陰性化は維持されている。本症例のように、HCV抗体中力価陽性・HCV-RNA陰性の場合も症例によっては厳重な観察が必要と考えられる。
索引用語 C型慢性肝炎, HCV抗体