セッション情報 |
ワークショップ1
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タイトル |
W-010:早期胃癌に対する腹腔鏡補助下幽門側胃切除術の適応と成績
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演者 |
能城 浩和(九州大学 臨床。腫瘍外科) |
共同演者 |
永井 英司(九州大学 臨床。腫瘍外科), 清水 周次(九州大学 臨床。腫瘍外科), 内山 明彦(九州大学 臨床。腫瘍外科), 田中 雅夫(九州大学 臨床。腫瘍外科) |
抄録 |
【はじめに】早期胃癌では内視鏡下胃粘膜切除術(EMR)の対象外となる病変のうちEMRが技術的に困難だった病変では腹腔鏡下胃局所切除や胃内手術の対象となるが、それ以外はリンパ節転移の頻度が無視できないゆえにリンパ節郭清を伴う胃切除術が選択される。今日多くの施設が低侵襲を目的としてこれを腹腔鏡補助下に施行しているのが現状である。【目的】当教室で行われた胃中下部の早期胃癌に対して術前推定深達度に応じたリンパ節郭清を伴う腹腔鏡補助下幽門側胃切除術(LADG)の適応と手術手技を供覧し、適正な手術が行われてきたかを検討した。【対象と方法】1996年1月より2002年9月までのLADG91例を対象として術前推定深達度の正診率、リンパ節転移頻度、切離断端の癌の遺残の有無および手術成績を検討した。【結果】術前推定深達度の正診率はMで65%およびSMで71%であった。病理組織学的リンパ節転移陽性は7例(8%)で、これらの主病変はすべてSM以深の深達度であった。この7例のうち3例は術前推定深達度診断が過少評価されていていた。切離断端に癌の遺残を認めるものはなかった。術後平均31ヶ月および中央値28ヶ月の観察期間で再発死亡例は認めていない。【考察】現在のところ技術的にはLADGは安全域を持った適正なリンパ節郭清を行うことができるが、さらなる術前診断の向上がなければ安易にリンパ節郭清度を下げないことが重要と考えられる。 |
索引用語 |
早期胃癌, 腹腔鏡手術 |