セッション情報 一般演題

タイトル 133:

虫垂カルチノイドの1例

演者 虎島 泰洋(国立佐賀病院 外科)
共同演者 山口 淳三(国立佐賀病院 外科), 谷口 堅(国立佐賀病院 外科), 藤岡 ひかる(国立佐賀病院 外科), 井沢 邦秀(国立佐賀病院 外科)
抄録 症例は63歳、男性。既往歴・家族歴に特記事項はみられなかった。平成14年6月、急性腹膜炎 (虫垂炎疑い)にて緊急開腹手術が施行されたが、腹腔内には膿性腹水がみられ、虫垂は腫大・穿孔していた。型どおり虫垂切除術・腹腔内洗浄・腹腔ドレナージ術を行った。術後の組織学的検索では、虫垂にはCarcinoid cellが認められた。このため、Second look operation を施行したが、Douglas窩膿瘍・上部直腸狭窄 (炎症性)を認めたため右半結腸切除・リンパ節郭清術およびS状結腸での人工肛門造設術を行った。虫垂カルチノイドは欧米に比較的多く、中腸カルチノイドの範疇に入る。その母細胞はKultschitzky細胞と考えられており、予後は比較的良好な症例が多いが、肝転移が最も多いことから本症例も局所再発および肝転移の有無を今後厳重にfollow upしていかなければならない。虫垂切除症例の大多数は虫垂炎が原因である。しかし、本症例のようなカルチノイド例もあることを念頭におき、診断・治療を行うべきである。
索引用語 カルチノイド, 虫垂