セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
255:経皮的エタノール注入にて緩徐に縮小しretrospectiveに脾嚢胞と診断された1例
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演者 |
眞鍋 哲郎(水俣市立総合医療センター 消化器科) |
共同演者 |
尾上 公浩(水俣市立総合医療センター 消化器科), 浦田 昌幸(水俣市立総合医療センター 消化器科), 大野 康寛(水俣市立総合医療センター 消化器科), 山崎 邦雄(水俣市立総合医療センター 消化器科), 原田 孝弘(水俣市立総合医療センター 消化器科) |
抄録 |
症例は30歳、女性。21、23歳時に腹部膨隆があり他院にて巨大肝嚢胞と診断され、経皮的エタノール注入療法を受けている。平成12年1月頃から腹満感が持続し6月7日当科初診。腹部超音波検査、CT及びMRI検査にて肝左葉から突出し脾門部に接する7cm大の嚢胞性病変を認めた。隔壁や壁在結節はなく嚢胞壁の一部は石灰化していた。また脾臓との連続性は不明瞭であった。従って肝嚢胞と診断し、自覚症状と患者の希望により、経皮的エタノール注入目的で6月13日入院となる。入院の上、経皮経肝的に穿刺し嚢胞液をドレナージ後(排液55ml)、初回無水エタノール5mlを注入した。なお、排除した嚢胞液は淡黄色で、異型細胞もなく、また嚢胞造影では胆管、脈管との交通性もなかった。ドレナージチューブは挿入後15日目に自然逸脱し、再エタノール注入せずに7月18日退院。退院時嚢胞径は5cmであった。退院後6ヶ月間は外来にて経過観察していたが嚢胞径の変化はなくそれ以降は通院していなかった。平成14年8月12日(2年2ヶ月後)の腹部CTにて脾門部から突出し一部石灰化した嚢胞壁を伴う3cm大の嚢胞を認めた。以上のことから、経皮的エタノール注入を施行した巨大肝嚢胞はretrospectiveに脾門部から発生した脾嚢胞であり、初回治療後、徐々に縮小したと考えられた。脾嚢胞に対しての経皮的エタノール注入療法の報告は少なく緩徐な縮小効果も認められたため報告する。 |
索引用語 |
脾嚢胞, エタノール |