セッション情報 一般演題

タイトル 318:

腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した左側胆嚢の1例

演者 生駒 明(生駒外科医院)
共同演者 生駒 茂(生駒外科医院), 生駒 達雄(生駒外科医院), 原口 要(原口外科)
抄録 【目的】急性胆嚢炎発症後1ヶ月経過した左側胆嚢に腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行したので報告する。【症例】症例は68歳の男性で、2002年月7月27日より激烈な上腹部痛があり、7月29日に前医を受診した。超音波で胆嚢は著しく腫大し、胆嚢内にdebrisが認められた。総ビリルビン4.7mg/dl、ALT 277IU/L、γ-GTP 1026IU/L、CRP 13.2mg/dlと肝機能異常と炎症所見がみられたが、抗生剤による保存的治療によって軽快した。炎症消退後、手術目的で同年8月25日当院へ紹介入院となった。CT、MRIにて胆嚢が肝左葉外側区域に付着しており、左側胆嚢と診断された。8月26日腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した。【手術及び術後経過】通常のポートの位置で手術を開始した。腹腔鏡にて胆嚢が肝左葉外側区域に付着していた。胆嚢管の合流異常の可能性が危惧されたので、胆嚢を底部より頸部に向かって胆嚢床より剥離した。胆嚢左側の剥離操作が困難であったので、左肋骨弓下よりポートを追加した。胆嚢床は底部と体部は外側区域に付着していたが、頸部で肝円索を横切り、胆嚢管は総胆管右側に合流していた。胆嚢動脈も総胆管背側より胆嚢管の頭側を並走し胆嚢頸部に流入していた。胆嚢管からの術中胆道造影にて胆嚢以外の胆道系の解剖は正常であった。胆嚢管、胆嚢動脈をクリッピングし、胆嚢を摘出した。術後経過は順調で術後7日目に退院した。【考察】左側胆嚢の腹腔鏡下手術では、通常のポートの位置では胆嚢左側での剥離操作がむずかしく、ポートの位置を右肋骨弓下外側のポートを省略し、左肋骨弓下にポートを挿入すべきと思われた。
索引用語 左側胆嚢, 鏡視下手術