セッション情報 一般演題

タイトル 316:

ソマトスタチン誘導体と腹腔-静脈シャント造設術が奏効したアルコール性肝硬変に伴う乳び胸腹水の一例

演者 腰塚 広昌(国立病院九州医療センター 肝臓病センター)
共同演者 福森 一太(国立病院九州医療センター 肝臓病センター), 久保 満樹(国立病院九州医療センター 肝臓病センター), 吾妻 妙子(国立病院九州医療センター 肝臓病センター), 山下 尚毅(国立病院九州医療センター 肝臓病センター), 武元 良祐(国立病院九州医療センター 肝臓病センター), 西  秀博(国立病院九州医療センター 肝臓病センター), 宮原  稔彦(国立病院九州医療センター 肝臓病センター), 福泉  公仁隆(国立病院九州医療センター 肝臓病センター), 釈迦堂  敏(国立病院九州医療センター 肝臓病センター), 酒井  浩徳(国立病院九州医療センター 肝臓病センター)
抄録 症例は61歳男性。平成5年に近医で肝機能障害および腹水貯留を認めアルコール性肝硬変と診断された。以後内服加療中であったが平成14年3月25日より呼吸困難、腹部膨満感を自覚し、胸部レントゲン写真で右胸水を認めたため精査加療目的にて平成14年4月25日当科入院となった。入院後の胸水試験穿刺の結果乳び胸水であった。保存的加療を行ったが改善認めらないため、文献的に検索したところ、ソマトスタチン誘導体投与によって効果が得られたと報告されていたため5月29日よりソマトスタチン誘導体投与を開始した。投与後速やかな胸水の改善傾向を認めた。しかしその後腹部膨満感出現し腹水の増量を認めた。試験穿刺を行ったところ、乳び腹水であった。再度ソマトスタチン誘導体投与を試みたが腹水量の改善は認めず腹囲も100cm近くに増大し腹満感が強くなったため、7月19日腹腔-右鎖骨下静脈シャント造設術を施行した。術後一過性のDIC併発したが対症療法によって軽快した。シャント造設後腹水の残存を認めたが腹囲85cm程度となり自覚症状も消失したため、8月12日退院となった。乳び胸腹水に対する治療法として興味ある一例と考えられたため報告する。
索引用語 ソマトスタチン誘導体, 乳び胸腹水