セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 315:脳室―腹腔シャント術後に認められた肝外門脈閉塞症の一例 |
演者 | 三馬 聡(国立佐賀病院 内科) |
共同演者 | 有馬 哲彦(国立佐賀病院 内科), 楠本 浩一郎(国立佐賀病院 内科), 荒武 弘一朗(国立佐賀病院 内科), 中山 利浩(国立佐賀病院 内科), 小林 和真(国立佐賀病院 外科), 山口 淳三(国立佐賀病院 外科), 藤岡 ひかる(国立佐賀病院 外科), 井沢 邦英(国立佐賀病院 外科), 島 正義(国立佐賀病院 内科) |
抄録 | 門脈圧亢進症は、肝硬変症をはじめとしBudd-Chiari症候群、特発性門脈圧亢進症、肝外門脈閉塞症など様々な病態により引き起こされる疾患である。この中でも肝外門脈閉塞症は悪性腫瘍、慢性膵炎などに伴う門脈、脾静脈閉塞、先天性奇形、腹部炎症による門脈閉塞が原因として挙げられている。今回、我々は脳室-腹腔シャント術後の経過中にみられた肝外門脈閉塞症の一例を経験した。 症例は56歳男性。主訴は上腹部痛。既往歴では6年前くも膜下出血後の水頭症の治療として脳室―腹腔シャント術施行されており、2年前には胆嚢内結石を指摘されている。現病歴では、H12年10月急性膵炎のため当院外科入院。退院後は同外来にて経過観察されていた。H13年10月頃より上腹部痛が出現したため同年11月上部消化管内視鏡検査を施行。それまで認められていなかったRC sign(+)の食道静脈瘤が4条認められ治療目的にて当院外科入院となった。 入院後、食道静脈瘤については食道静脈瘤結紮術等の治療にて軽快した。血液、生化学的検査では血小板の軽度低下以外特に異常は無く、腹腔鏡直視下所見では肝は褐色調、不整軽度であり肝硬変を示唆する所見は無かった。血管造影検査を含む各種画像検査にて門脈本幹は同定されず、肝門部には拡張した側副血行路(cavernous transformation)が認められたことより肝外門脈閉塞症と診断された。 脳室-腹腔シャント術後の肝外門脈閉塞症の報告は稀であり、文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 肝外門脈閉塞症, 門脈圧亢進症 |