セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 286:肝機能異常顕性化後の経過を追跡しえた非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の2例 |
演者 | 有馬 哲彦(国立佐賀病院 内科) |
共同演者 | 中山 利浩(国立佐賀病院 内科), 荒武 弘一朗(国立佐賀病院 内科), 楠本 浩一郎(国立佐賀病院 内科), 三馬 聡(国立佐賀病院 内科), 大谷 博(長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 医療化学専攻 (旧医学部第1病理)), 島 正義(国立佐賀病院 内科) |
抄録 | 肥満人口の増加に伴い、高度の脂肪肝に、実質の炎症、壊死、線維化所見が加わった非アルコール性脂肪肝炎(以下NASH)の存在が注目されている。しかし、その発症機序や自然経過は依然明確ではない。今回我々は、後ろ向きに肝機能異常顕性化からの経過を追跡しえたNASHの2例を経験したので、報告する。 症例1は63歳女性。主訴はなし。既往歴では10年前より甲状腺腫大、高脂血症にて治療されていた。飲酒歴なし。現病歴では、53歳時より当院通院中であり、定期的に血液検査を施行されていたが、肝機能はGOT15 GPT19と正常であった。56歳時、7kgの体重増加とともに、GOT41 GPT100と肝機能異常出現。画像診断では脂肪肝の所見であったが、平成14年7月、腹腔鏡下肝生検施行され、NASHと診断された。 症例2は40歳女性。主訴はなし。既往歴では3歳時に動脈管開存にて手術歴あり。飲酒歴なし。現病歴では、32歳時より地区の検診を毎年受けていたが、肝機能はGOT20 GPT35と正常であった。36歳時よりGOT36 GPT59と肝機能異常出現。平成14年6月、GOT82 GPT137と高値が続くため、腹腔鏡下肝生検施行。NASHと診断された。 現在のところ、NASHの診断には組織学的検査は必須であるため、その症例の蓄積、検討は十分ではなく、その臨床経過についても報告は少ない。今回我々が経験した症例では、肝機能異常顕性化後、各々7年後、4年後に腹腔鏡検査、肝生検を施行しており、その所見の対比は、NASHの臨床像を把握する上で貴重な症例と考えられたので、若干の文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 非アルコール性脂肪肝炎, 臨床経過 |