セッション情報 |
パネルディスカッション5(肝臓学会・消化器病学会・消化器外科学会・消化器がん検診学会合同)
肝拠点病院網と肝診療均てん化の現状課題
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タイトル |
消PD5-6:宮城県における肝診療均てん化の現状と問題点
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演者 |
三浦 雅人(みやぎ県南中核病院・消化器科) |
共同演者 |
上野 義之(東北大・消化器内科), 石井 元康(宮城社会保険病院) |
抄録 |
【目的】今回我々は宮城県における二次医療圏(仙台・仙南・大崎・栗原・登米・石巻・気仙沼)毎の肝炎治療の現状について報告し、さらに我々が開始した医療圏を越えた病診連携の試みについても述べてみたい。【検討項目】1)肝疾患専門医療機関・肝臓専門医の配置の現状と問題点、2)平成20年度以降の肝炎治療特別促進事業への申請件数【結果】1)宮城県では肝疾患診療拠点病院として東北大学病院を指定し、肝疾患専門医療機関として19病院を指定した。しかし、登米医療圏に指定医療機関が無かったことから肝炎治療特別促進事業の際にはその地域を含め3病院が追加された。また、平成20年度の段階で仙南・大崎・登米・気仙沼医療圏の指定医療機関に肝臓専門医がおらず、専門的な治療が十分受けられない可能性があった。2)宮城県における申請件数は平成20年度713件、平成21年度462件であった。肝臓専門医が不在な医療圏における申請件数の割合は平成20年度には仙南・大崎・登米・気仙沼でそれぞれ全体の5.8%・6.0%・4.9%・2.7%であったが、平成21年度には7.4%・8.2%・3.0%・1.9%であった。仙南・大崎医療圏でその割合が増加しており、その一因としては肝臓専門医の移動があったと思われる。【医療圏を越えた病診連携の試み】平成23年度より仙台医療圏南部・仙南医療圏・福島県相馬地区という医療圏を越えた範囲での病診連携の試みを開始した。地域のかかりつけ医からHBs抗原あるいはHCV抗体陽性で、ALT値が31IU/L以上あるいは血小板数15万以下の症例を診断書作成医療機関である地域内の3病院にまず紹介・登録してもらい、抗ウイルス療法が必要な場合は病診連携で治療を開始し、画像的な経過観察が必要な場合には画像診断が可能なその他の9病院と協力して経過観察するというものである。【まとめ】宮城県における肝診療均てん化の現状と問題点について報告した。医療圏を越えた病診連携の試みは始まったばかりであるが、可能であれば「東日本大震災」後の状況と併せて報告したい。 |
索引用語 |
肝炎, 病診連携 |