セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 284:診断に苦慮したアメーバ性肝膿瘍の一例 |
演者 | 斎 宏(北九州総合病院 内科) |
共同演者 | 古土井 明(北九州総合病院 内科), 松本 善明(北九州総合病院 内科), 中村 顕治朗(北九州総合病院 内科), 浅田 備之(呉医師会病院 内科), 津賀 勝利(広島記念病院 内科), 實藤 隼人(北九州総合病院 臨床検査部) |
抄録 | 症例は30歳男性。主訴は発熱と右側腹部痛。平成13年10月29日より39度台の発熱が出現し、改善しない為10月31日内科受診した。血液検査では白血球13700/mm3 ,CRP20.8mg/dlと高度の炎症所見を認めた。他の血液データに著変を認めなかったが、腹部超音波検査で多発した不整形な低エコー域、腹部CT検査で辺縁の造影効果を伴った低吸収域を認めたことより肝膿瘍を疑い同日当科に入院した。入院当日より抗生剤(SBT/CPZ)点滴開始したが、翌日より右側腹部痛が増悪、血液検査では白血球11600/mm3,CRP28.2mg/dlと上昇し、CT上肝膿瘍の増大を認めたため11月2日同部位に対して緊急ドレナージ施行した。排液は灰白色であり、細菌性肝膿瘍と考えた。しかし、その後も膿瘍は増大、発熱も改善しない為11月6日同部の再穿刺施行したところ排液がチョコレート膿瘍様を呈したためアメーバ性肝膿瘍を疑い、メトロニダゾール内服開始した。以降肝膿瘍は縮小し、発熱と右側腹部痛は改善した。また、血清アメーバ抗体IgGは800倍と高値であった。本症例は初回の穿刺にて典型的なチョコレート色で無かった為、診断、治療に苦慮した多発性アメーバ性肝膿瘍の症例であり、若干の文献的考察を加え報告する. |
索引用語 | アメーバ, 肝膿瘍 |